RWC2019

ラファエレ&松島240分出場、福岡3戦連続トライ! PNCからワールドカップ最終スコッドを読み解く

斉藤健仁の「ジャパンの現在地」第11回
2019.8.13 11:02

 ラグビー日本代表は7月27日から8月10日にかけて、ワールドカップの前哨戦であるパシフィック・ネーションズカップ(PNC)を戦い、全試合で4トライ以上&相手に勝ち点を与えない戦いぶりを見せて、3連勝を達成し、8年ぶり2度目の優勝に輝いた。

 まず結果をPNCの日本代表の結果を見ていこう。

 

対フィジー戦 ○34-21(前半29-14)

トライ:WTB福岡、WTB松島、CTBラファエレ、FL姫野、WTB松島

 

対トンガ戦 ○41-7(前半21-0)

トライ:No.8マフィ、PRヴァル、CTBラファエレ、WTB松島、WTB福岡

 

対アメリカ戦 ○34-20(前半20-13)

トライ:FLリーチ、WTB福岡、FB山中、FLリーチ

 

 3試合合計で15トライを挙げつつ、相手には5トライしか許していない点は攻守ともに6月~7月にかけて33日間に及ぶ宮崎合宿での成果が出てと言えよう。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)も「今回優勝できて選手の努力、結果に満足している。ワールドカップへいい予行演習となった」と満足した表情を見せた。

 日本代表はアタックにより幅を持たせて攻める形を採用しつつ、アンストラクチャー(ターンオーバー後の崩れた形)からのアタックも武器としており、15トライ中7トライがバックスリー(WTB、FBの総称)でトライを挙げている点では自分たちの攻撃ができていたと言えよう。特にWTB福岡堅樹は、春に負傷したものの、PNCで3戦連続のトライを挙げて、しっかりと調子を上げてきた。

 ただ反則数は3試合とも相手よりも多かった。フィジー代表戦こそ9回と10回を下回ったが、トンガ代表戦、アメリカ代表は12と二桁を超えてしまった。ワールドカップでいいプレースキッカーやモールの強いチームと対戦することを考えると、もちろん少ないにこしたことがないが、一桁には抑えたいところ。

 FLリーチ マイケルキャプテンは「フィジー、トンガ、アメリカに接点、フィジカルエリアで負けなかったことは評価できますが、アメリカ戦のような(反則が多い)試合をするとワールドカップでは負ける。もう一回、ディシプリン見直していい準備したい」と反省を口にした。

 それでは次に、網走合宿後の8月末に発表が予定されているワールドカップの日本代表の最終スコッドを予想してみたい。ちなみに、今回のPNCスコッドも31名、ワールドカップの最終スコッドも31名である。

 ジョセフHCは昨年から、選手たちに常に「一貫性あるプレー」を求めており、PNC前に、「一貫したプレーをしたら変えるのは難しい」とも言っていた。

 そしてアメリカ戦後は、最終スコッド31名に関して聞かれるとニュージーランド出身の指揮官は「なんとなく構想はできている。あくまでも焦点はこの先(のワールドカップ)に向けてやってきたが、いろんな選手にチャンスを与えて、コンビネーションを合わることができたことには満足している。PNCのパフォーマンスを検証して誰が一貫したプレーができたか吟味してから構想に入りたい」と話した。

 となれば、今回のPNCで3試合連続先発した選手はほぼ当確といっていいはずだ。それはPR稲垣啓太、PRヴァル アサエリ愛、HO堀江翔太、SO田村優、CTBラファエレ・ティモシー、WTB松島幸太朗、FB/CTBウィリアム・トゥポウの7人だった。しかもCTBラファエレ、WTB松島の2人は240分すべてに出場する大車輪の活躍を見せた。

 さらに、ここに2試合先発したLOトンプソン ルーク、ジェームス・ムーア、FLリーチキャプテン、「ラピース」ことFLピーター・ラブスカフニ、No.8アマナキ・レレィ・マフィ、CTB中村亮土、WTB福岡堅樹の7人もほぼ最終スコッドに選ばれると言っていいだろう。福岡は3戦連続トライを挙げる活躍を見せて、LOトンプソンはフィジー代表戦、トンガ代表戦で38歳という年齢を感じさせないプレーを見せて、LOムーアはアメリカ代表戦で出色の出来だった。

 また1試合先発するだけでなく、1~2試合と途中出場した選手を加えたい。FL/LOヴィンピー・ファンデルヴァルト、LOウヴェ・ヘル、FL姫野和樹、SH茂野海人、SH流大、WTBレメキ ロマノ ラヴァの6人だ。

 HOの控えで3試合に出場したHO坂手淳史と、同じくベンチから3試合に出た「Versatility(ヴァーサティリティ)=多才、多様性」を持つ選手の代表各SO/CTBの松田力也も最終スコッドに入るだろう。

 さらにリーチキャプテンを筆頭に10人いるリーダーグループのひとりベテランSH田中史朗もコーチ陣の信頼は厚い。フィジー代表戦でテンポのはやい展開でリードしたSH茂野、トンガ代表戦でキックを上手く使ったSH流、そして負傷から復帰したSH田中と個人的には最終スコッドにはSHは3人選手すると予想している。

 ちなみにリーダーグループはFLリーチを筆頭に、PR稲垣、FL姫野、ラピース、SH田中、流、SO田村、CTB中村、ラファエレ、松島の10人である。 ここまでで23人となる。「テストマッチレベルで試してみかった」(ジョセフHC)というPR木津悠輔は控えから3試合に出場、PR三浦昌悟は同じくベンチから2試合に出場した。ただケガの影響でPNCスコッドに入らなかったPR具智元、PR中島イシレリの2人に対するコーチ陣の信頼は厚く、ケガさえ癒えれば2人は最終スコッド入りしてくるのでは、と予想している。

 SHだけでなくHOは替えのきかないポジションであり3人選ぶとして、あとは左PR、右PRを2人にするか3人にするかで、最終スコッドの31名の顔ぶれもかわってくるはずだ。いずれにせよPNCで、ジョセフHCが求める、個々の役割を果たしつつ一貫性あるパフォーマンスをした23人を中心にワールドカップを戦っていくことになるはずだ。

この記事を書いたひと

斉藤 健仁KENJI SAITO

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365 」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。