RWC2019

PNC優勝に王手!日本代表、トンガから5トライを奪い41-7で快勝

2019.8.4 0:46

7月27日(土)、釜石鵜住居復興スタジアムで行われたパシフィック・ネーションズカップ(PNC)開幕戦で、強豪フィジー(世界ランキング9位)を相手に34-21で快勝したラグビー日本代表。5トライを挙げるなど過去3勝14敗と分の悪かった相手を見事撃破し、ラグビーワールドカップ本番に向けて順調な滑り出しを見せた。

そして8月3日(土)のPNCの第2戦は、世界ランキング14位のトンガを大阪・東大阪市花園ラグビー場に迎えた。日本代表は世界ランキングは前週と変わらず11位と相手を上回ってはいるが、サイズ、フィジカルの強さ、経験値は折り紙付き。8勝9敗とわずかに負け越しているライバルから、日本代表は連勝を狙った。

日本代表は先発5人を入れ替えた。フィジー戦ではリザーブだったキャプテンのFLリーチ マイケル、LOヴィンピー・ファンデルヴァルト、SH流大、WTBレメキ ロマノ ラヴァが先発に回ったほか、フィジー戦は欠場していたFL徳永祥尭も先発に名を連ねてた。フィジー戦は先発したFL姫野和樹、SH茂野海人、WTB福岡堅樹はリザーブとなった。なお、PRヴァル アサエリ愛、NO8アマナキ・レレィ・マフィ、FBウィリアム・トゥポウ、リザーブのLOヘル ウヴェにとっては母国との対戦となった。

日本代表のジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は、メンバー発表の際にこのように語った。

「非常に強いチームを構成できた。若干のメンバーの変更があり、FLリーチが先発に入った。彼が戻ってきてチームとして大歓迎です。彼は今までゲームタイムがあまりなかったので、試合時間を与えるために先発にした。FL姫野がリザーブなのはアンラッキーなこと。前回非常にいいプレーをしたが、FLリーチにゲームをタイムを与える。FL姫野にはベンチからインパクトを与えるという違う役目がある。

(WTBについては)堅樹(福岡)もリザーブ。WTBはポジション争いが激化している。マノ(レメキ)、松島、堅樹で非常にいい競争が行われている。(トンガ戦は)このコンビネーションを見てみたい」

なお、試合前日の夜にジョセフHCの母親が78歳で死去した。ジョセフHCは予定通りチームを指揮することを希望したものの、FLリーチらの進言で急遽ニュージーランドに帰国。トニー・ブラウンアタックコーチがHC代行として指揮し、選手たちは喪章をつけてトンガと相まみえた。

対するトンガはキャプテンを務める元ヤマハ発動機のCTBシアレ・ピウタウ、東芝でプレーしたCTBクーパー・ブナといった過去にトップリーグで活躍した選手や欧州のクラブに在籍していた選手が多数出場。大阪産業大出身のLOレバ・フィフィタも先発入りし、一昨年の日本代表戦で初キャップを獲得した朝日大出身のFL/NO8シオネ・バイラヌはリザーブに入った。

日本代表のキックオフで試合が始まった。前半開始間もない4分、WTB松島幸太朗が故意のノックオンでシンビン(10分間の一時的退出)となり数的不利となった日本代表だったが、10分には敵陣5mラインからのマイボールラインアウトからモールで押し込み、NO8マフィがTMO(テレビジョンマッチオフィシャル)の末に先制トライ。SO田村優のゴールも成功し、日本代表が14人にもかかわらず7-0と先制に成功する。

続く前半20分、日本代表は再び敵陣に入り22mライン内に入り、SO田村がゴール前まで迫ると、フェーズを重ねてからPRヴァルがインゴールに突進して右中間にトライ。14-0と日本代表がさらにリードを広げた。

さらに前半30分、再び敵陣の5mラインでのマイボールスクラムから日本代表はアタックを仕掛け、徐々にオープンに展開していくと、SO田村から、相手をひきつけたタイミングのいいラストパスを受けたCTBラファエレ ティモシーがインゴールへ駆け抜けトライ。21-0としたところで前半終了、試合を折り返す。

後半も、日本代表は8分にSO田村のPGで先制し24-0としたものの、反撃に転じたトンガの猛攻を受けて、17分にLOフィフィタのトライを許してしまい24-7とされる。

しかし後半29分、日本代表SO田村の2本目のPG成功で27-7とすると、直後の32分には再び敵陣22mラインまで攻め入り、SO田村のグラバーキックをキャッチしたWTB松島が2試合連続トライを決める。34-7とさらにリードを広げた日本代表は、39分にも途中出場のWTB福岡がトンガのタックルを連続でかわす個人技を見せて2試合連続トライを決めて、最終スコアを41-7とした。

日本代表のブラウンHC代行は、試合後このように語った。 「良かったことは、プランを遂行できて、取るべきトライをしっかり取れたところだと思います。(アメリカ戦に向けて)まずはフィジーに勝てたのでPNC全勝目指してしっかり準備して行きたいと思いますし、大きなチャレンジが控えています。皆さんの素晴らしい応援感謝しています。国内テストマッチ2戦はみなさんの応援が励みになりました」

また、キャプテンのFLリーチは「やろうとしていることがしっかりできたと思います。今日の試合に関しては10点中8点くらいですね。自分は10点中2点くらい。(後半得点が伸びなかったことについて)自分たちのセットピースでペナルティしたり、ブレイクダウンでターンオーバーされたりしたのが一つの原因かなと思います」と課題を口にするのを忘れなかった。

敗れたトンガのトウタイ・ケフHCは、

「結果はとても残念だが日本は我々よりも素晴らしく勝利に値するチームでした。日本は全体的にプランを遂行でき、セットピースがとても強く、後半は少しスローダウンすればもしかしたら勝つチャンスがあるのではと思ったが、結局彼らが素晴らしいフィニッシュをしました」

と語ると、キャプテンのCTBピウタウも、

「タフなゲームだった。日本がテンポが早いことはわかっていたが、大半でエリアを取られてしまい、トライを与えてしまった。今日はまた一つの小さな一歩。また成長して強くなってワールドカップでここに戻ってきます」

と日本代表のアタックに対応できなかったことを認めつつも、ワールドカップに向けて前を向いた。

フィジー戦に続いてPNC2連勝を飾り、順調な足取りの日本代表。次はフィジーに移動し(ジョセフHCも現地で合流予定)、8月10日(土)アメリカとPNC最終戦を行う。

前回ワールドカップでも対戦し、昨年はスコットランドを下すなど急成長しているチームだが、日本代表は勝つか引き分ければPNC優勝となるだけに、3連勝で優勝を飾ってワールドカップに向けて大きな弾みをつけてほしい。

◇LOトンプソン ルーク「実家」の花園でまたも80分フル出場し勝利に貢献!

38歳のチーム最年長選手で、4大会目のラグビーワールドカップ出場を目指すLOトンプソン ルークが、フィジー戦に続いて今回のトンガ戦でも80分間フル出場。常に体を張り続ける活躍で勝利に大きく貢献した。

試合を終えたLOトンプソンは、

「まずは疲れた。暑いと(暑さに慣れている)トンガはめっちゃ強いからキツいシーンが多いけど、花園は素晴らしい、特別な場所だから楽しかった。久しぶりの花園の試合で、僕の『家』なのでいい感じ」

と疲労の色を見せながらも、所属する近鉄ライナーズのホームである東大阪市花園ラグビー場でのテストマッチを楽しんだ様子だった。

トンプソンは勝因として、

「皆知っているようにトンガはでかい、そして強いけど、私たちは『ジャパンスマート』(日本代表が標榜するスマートなラグビースタイル)で、相手一人(に対して)私たち二人と、ジャパンの強さでジェイミー(ジョセフHC)のゲームプランをやったから勝った。これからも頑張りたい」

と語り、緊急帰国したジョセフHCのラグビーを遂行したことが勝利につながったと語った。まさにジョセフHC、そしてその亡き母に向けてチームから捧げた白星と言えるだろう。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。