RWC2019

サンウルブズ、前半は2トライと健闘するもののジャガーズに52-10で大敗し今季最終戦を飾れず

2019.6.15 12:25

スーパーラグビーはいよいよ2019年シーズンの最終節(第18節)を迎えた。6月15日(土)日本時間早朝、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)は南アフリカカンファレンス首位でプレーオフ進出を決めているジャガーズ(10勝5敗・勝ち点46)と、敵地ホセ・アマルフィターニスタジアム(アルゼンチン・ブエノスアイレス)で対戦した。

2勝13敗、勝ち点12でオーストラリアカンファレンスならびに全体の最下位が決まっているサンウルブズは、昨季に並ぶ3勝(13敗)に届くか否かの大事な今季最終戦となった。

メンバーは、ケガから復帰したゲームキャプテンのFLダン・プライアーをはじめ、日本代表のPR三上正貴、前節素晴らしいパフォーマンスを見せたFL松橋周平、今季全試合出場中のSOヘイデン・パーカーとWTBゲラード・ファンデンヒーファー、今季10トライでリーグ4位タイとトライを量産中のFBセミシ・マシレワらが先発を連ねた。日本代表のCTBラファエレ ティモシーも今季初先発となった。

また、サンウルブズに招集されたばかりのPR三浦昌悟がリザーブ入りし、ベンチからスーパーラグビーデビューの瞬間を待った。「短い準備期間ではありますが、積極的にコミュニケーションをとってチームに貢献したい。覚悟を決めてやり切りたい」と意気込んでいた。

一方、ジャガーズは前節から12人を入れ替えながらも、LOグィド・ペティ・パガディザバル、CTBサンティアゴ・ゴンザレス・イグレシアス、FBホアキン・トゥクレといったアルゼンチン代表でも実績十分のメンバーが先発。ゲームキャプテンは同じく代表経験豊富なCTBマティアス・オルランドが務めた。

前半キックオフからいいテンポで攻め続けたサンウルブズだったが、ショルダーチャージやオフサイドなど規律が乱れたびたびマイボールを失うと、前半11分ジャガーズWTBサンティアゴ・カレーラスにトライを許し7-0と先制される。

しかしサンウルブズも前半28分、相手のパスが乱れボールがサンウルブズPRコナン・オドネルの胸元に入るとそこから仕掛け、WTBファンデンヒーファーがキック。そのキックに自ら追いつき、インゴール右隅にグラウンディング。SOパーカーのゴールは外れたものの、7-5とサンウルブズが2点差に詰め寄る。

前半33分、サンウルブズがカウンターから攻めていたがジャガーズWTBセバスティアン・カンセジエレにインターセプトからトライを許し14-5とリードを広げられた。だが37分には敵陣22メートルライン付近でのマイボールラインアウトからアタックを仕掛け、ラックからSHジェイミー・ブース、SOパーカー、FL松橋とパスがつながり一、最後はFL松橋のオフロードパスをキャッチしたFBマシレワが左中間にトライ。14-10と4点差に迫る。

このままハーフタイムを迎えたかったサンウルブズだったが、ホーン後の前半41分、サンウルブズWTBマシレワが自陣ゴール前でインテンショナルノックオン。シンビン(10分間の一時的退出)となったうえにジャガーズにペナルティトライが認められ、21-10とされたところで前半終了を迎えた。

後半を数的不利な状態で迎えたサンウルブズは、いきなり後半1分ジャガーズにHOフリアン・モントヤにモールからのランでトライを奪われ、26-10と点差を広げられる。

さらに、サンウルブズは前半にHOネイサン・ベラから交替していたHOジャバ・ブレグバゼが負傷したことでHO不在に。そのため7分のスクラムからノーコンテストスクラムとなり、ルール上、1人外れないといけないためLOトム・ロウがピッチをアウトし、さらに1人減って13人での戦いとなる。11分にはWTBマシレワが戻ったものの、数的不利な14人の状態が続く。

ここから一気に、試合はジャガーズペースとなる。後半16分にCTBファン・クルス・マリア、21分にFBマティアス・モロニ、24分にFLハビエル・オルテガ・デシオに立て続けにトライを決められ45-10と突き放される。34分にもWTBカンセジエレにこの試合2本目のトライを決められたサンウルブズは52-10で敗れ、今季最終戦を飾ることはできなかった。

試合後、サンウルブズのスコット・ハンセンHC(ヘッドコーチ)代行はHO2名の負傷の影響について語った。

「今日の試合では、残念ながらハーフタイムの時点でHOを2人失うことになってしまいました。その結果、替えが利かない状態で戦わなければいけない状況になり、最終的に14人での戦いとなったことで、自分たちのスクラムやラインアウトの戦力が落ちてしまい、結果的に厳しい戦いになってしまいました。このことが、今日の試合に非常に大きな影響を与えることになったと思います。しかし選手たちはよく頑張ってくれましたし、非常に勇敢でした。彼らを誇りに思います」

ゲームキャプテンのFLダン・プライアーも数的不利になった状況を悔やんだ。

「試合の入りはとても良かったです。我々の立てたゲームプラン、練習でやってきたことをそのままプレーで出せていました。しかし13人になってしまったところから、非常に厳しい試合展開となりました。努力しましたが、残念ですがこのような結果になってしまいました。

ファンの皆さんには感謝の想いでいっぱいです。皆さんが応援をし続けてくれたおかげで、我々は毎週フィールドに立つことができました。来季はもっと熱い戦い、興奮を届けたいと思いますし、選手たちもファンの皆さんと来年も会えることを楽しみにしています。心からありがとうと伝えたいです」

サンウルブズは、これでレギュラーシーズンを終了した。今季は2勝と昨季の3勝を超えることができなかったが、スーパーラグビーラストイヤーとなる来季は、さらなる飛躍に期待したい。

◇反則の多さ、流動的なメンバー…悔やまれるシーズンに

サンウルブズは2勝14敗、勝ち点12という成績で4シーズン目を終え、昨季の3勝に並ぶことはできなかった。ただ、2勝はいずれも敵地で勝ったもので、3月2日(土)の第3節チーフス戦(15-30で勝利)はチーム史上初のアウェイでの勝利となり、3月29日(金)のワラターズ戦(29-31で勝利)も価値ある敵地での白星だったと言えよう。

一方で、接戦の末に落とした試合が多かったのが悔やまれる。2月23日(土)の第2節ワラターズ戦(30-31で惜敗)をはじめ、レッズには3点差(第5節)と6点差(第12節)で、ブルーズ(第4節)には8点差、ハリケーンズ(第10節)には6点差でそれぞれ敗れており、勝利と紙一重の試合をなかなかものにすることができなかった。

反則数の多さも最後まで課題として残った。毎試合11以上の反則を犯し、このジャガーズ戦でも反則11と改善されなかった。単に失点につながっただけでなくシンビンや退場も相次ぎ、それが勝敗そのものに大きく影響した試合も多かった。

加えて、PRクレイグ・ミラーとCTBマイケル・リトルの共同キャプテンが負傷のためシーズン序盤で戦列を離れたことも大きく響いた。主力となるはずだったFLエドワード・カーク、CTBシェーン・ゲイツ、WTBレネ・レンジャーの早期負傷離脱もチームとしては手痛かった。

負傷者の続出だけでなく、ウルフパックと並行しての活動となったまた影響もあり、今季のサンウルブズは60名近くのメンバーが出場。特に中盤からはチームを成熟させきれないままシーズンを終えてしまった。

シーズン途中で2021年以降のリーグ除外が決定するなど、様々な事象が重なり難しいシーズンとなったサンウルブズだが、出色の活躍を見せたLOトンプソン ルークやNo.8/CTBラーボニ・ウォーレンボスアヤコ、PR山下裕史、SH茂野海人、FB山中亮平など、サンウルブズで活躍した選手が日本代表メンバーに招集されたことは収穫だったと言える。

フル出場とはならなかったものの今季全試合に出場したSOヘイデン・パーカー、WTBゲラード・ファンデンヒーファーの存在も大きかった。SOパーカーは88.5%(46/52)という極めて高いプレースキック成功率で今季112得点を挙げ、暫定6位。WTBファンデンヒーファーはリーグでも最長クラスのゲームタイムだけでなく、ボールキャリー147回(暫定8位)、ランメーター964m(暫定4位)と苦しむチームに常にエナジーを与え続けた。メンバーが毎節のように入れ替わるなか、この2選手の固定はプラスに作用したと言えよう。

WTB/FBセミシ・マシレワも大いに称えるべきだろう。ペナルティの多さは玉に瑕だが、ジャガーズ戦でも1トライを決めてチーム最多の11トライをマーク(暫定2位タイ)。クリーンブレイク数27回(暫定2位)、ディフェンス突破数57回(暫定5位)、ランメーター1053m(暫定2位)と、いずれもリーグトップクラスの成績を残した。

チームとしては2勝14敗と結果を残せなかったサンウルブズだが、個人にスポットを当てればリーグ屈指の活躍を見せた選手も多かった。サンウルブズから日本代表に招集された選手はワールドカップで活躍することを期待したい。また、来季は、しっかりとメンバーを固定して、さらに飛躍した姿をファンに見せてほしい。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。