RWC2019

サンウルブズ、ストーマーズに31-18で敗れるも終盤2トライを挙げて意地を見せる!

2019.6.9 10:30

6月9日(日)、今季のスーパーラグビーも残り2試合となる第17節を迎えた。ここまで2勝12敗、勝ち点12でオーストラリアカンファレンスおよび全体の最下位が決まっているヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)は、敵地DHLニューランズ(ケープタウン・南アフリカ)へと乗り込みストーマーズに挑んだ。

サンウルブズは昨季に並ぶ3勝目を目指し、今季全試合出場中のSOヘイデン・パーカーが前節ブランビーズ戦に続いてゲームキャプテンを務めたほか、FL長谷川崚太が6番で先発しスーパーラグビーデビュー。SOパーカーと同じく今季全試合出場中のWTBゲラード・ファンデンヒーファー、前節のトライがトライ・オブ・ザ・ウィークに選ばれたFBセミシ・マシレワも先発出場した。

なお、日本代表候補の宮崎合宿に招集されているPR三上正貴、HO北出卓也、CTBラファエレ ティモシーの3名が引き続きサンウルブズに残りリザーブ入り。HO北出はFL西川征克とともにスーパーラグビーデビューの瞬間をベンチで待った。また、FL西川をはじめ代表候補から外れたPR浅原拓真、LO大戸裕矢、SH内田啓介、WTB山田章仁らもベンチから再アピールの機会をうかがった。

メンバー発表に際し、スコット・ハンセンHC(ヘッドコーチ)代行はリーグデビュー組に期待を込めた。

「今週は、長谷川、北出、西川がメンバーに加わっています。彼らのような若い選手にとっては、スーパーラグビーの試合に出るということは特別な機会だと思います。サンウルブズファミリーとして、彼らをチームに迎え入れられることを嬉しく思います。

ケープタウンという地でストーマーズと戦うことは我々にとって大きなチャレンジだと認識しています。それと同時に、このチャレンジをとても楽しみにしています。全ての南アフリカのチームはフィジカルが強く、ストーマーズはそれに加えて、スピードとテクニックにも優れたチームです。その点をどう抑えるかが鍵になるでしょう」

一方、6勝1分け7敗、勝ち点30で南アフリカカンファレンス暫定5位のストーマーズはプレーオフ進出のためにも、また昨季サンウルブズに香港で敗れた屈辱を晴らすためにも落とせない一戦だった。

南アフリカ代表主将も兼ねるキャプテンのFLシヤ・コリシや代表経験豊富なLOエベン・エツベスらは欠場したものの、ゲームキャプテンのPRスティーブン・キッツォフ、HOボンギ・ンボナンビ、PRフランス・マールハバ、CTBのJJ・エンゲルブレヒト、FBディリン・レイズといった南アフリカ代表経験者が先発に名を連ねた。

前半、先手を取ったのはサンウルブズだった。9分、敵陣でのマイボールラインアウトでストーマーズにペナルティがあり、11分にサンウルブズSOパーカーが自らPGを選択して成功。0-3とサンウルブズが先制する。

しかし16分にはストーマーズのラインアウトモールからHOンボナンビにトライを許し(7-3)、29分にはインターセプトからWTBクレイグ・バリーにトライを決められ(14-3)サンウルブズは逆転される。

それでも前半36分、サンウルブズはSOパーカーが2本目のPGを決めて14-6。8点差にして試合を折り返す。

後半、先に得点を挙げて点差を詰めていきたいサンウルブズだったが、後半13分にストーマーズNo.8ヤコ・クッツェーに突破されトライを許し、21-6と点差を広げられてしまった。

だが後半22分、敵陣でフェーズを重ねたサンウルブズは途中出場したばかりのサンウルブズWTB山田章仁がタックルを受けて倒されながらFBマシレワにオフロードパス。そのパスを受けたFBマシレワがインゴール中央にダイビングトライを決めて、21-13とサンウルブズが再び8点差に迫る。

このまま勢いに乗りたいサンウルブズだったが、後半25分にストーマーズSOジョシュア・スタンダーにPGを決められ24-13、33分にはモールから再びNo.8クッツェーにトライを許し、31-13とさらに点差を広げられてしまった。

しかし、攻守にわたって全体的に高いパフォーマンスを見せていたサンウルブズは、最後の最後に意地を見せる。トライされた直後の35分のキックオフをWTB山田がジャンプしてキャッチしチャンスを作る。そして後半38分、フェーズを重ねた末にラックからSH内田、PR三上、SOパーカー、WTBファンデンヒーファーとパスをつないで、ラストパスを受けたFBマシレワがインゴール右隅にトライ。この試合2本目のトライ(今季マシレワ個人では10トライ目)でスコアを31-18として、ストーマーズのボーナスポイント(3トライ差以上)を消した。ロスタイムになっても相手のミスから反撃し、7点差以内のボーナスポイントを狙って攻めたが、そのまま31-18でノーサイドを迎えた。

8連敗で今季2勝13敗となり、またも3勝目はならなかったサンウルブズだが、最後のトライ後にも自陣ゴールラインから一気に敵陣に攻め込むなど、前節に比べてチームとしてのパフォーマンスを格段に上げた。

試合後、サンウルブズのハンセンHC代行はチームの出来を前向きに評価した。

「我々は今日、ボールを保持し続けてて攻撃の勢いを作ることができました。ストーマーズがボーナスポイントを狙って勝ちにきている事は認識していました。それが彼らのゲームプランだと分かっていました。

しかしそれに対して、我々は立ち向かう事ができました。サンウルブズは試合のテンポを上げようとしていましたが、彼らはテンポを上げられるチャンスがあっても、それをしませんでした。結果的にストーマーズはボーナスポイントを狙わずに、勝つために試合をスローダウンさせることを選んだのです」

一方、ゲームキャプテンのSOパーカーは、戦いぶりを評価しながらもあえて厳しく振り返った。

「今日に関して言うとチームとしてはステップアップができた日でした。素晴らしいタックル、素晴らしいトライもいくつか挙げることができました。そして特にディフェンス面でも非常に素晴らしいパフォーマンスでした。

今日の試合では前向きな材料がたくさんあったと思います。しかしまた敗戦という結果になってしまいました。そういった意味では、今シーズンのこれまでのストーリーとあまり変わらない、とも言えるかもしれません」

また、この一戦で先発のFL長谷川、そしてリザーブから途中出場のHO北出、FL西川がそれぞれスーパーラグビーデビューを果たした。FL長谷川は前半キックオフ直後にいきなり激しいタックルを見せ、ラインアウトではボールをクリーンキャッチするなど躍動した。

そのFL長谷川は、

「個人的には、今週準備してきた事が通用するところもあれば、通用しないところもありました。今日はボールを持つ場面は少なかったですが、1対1のフィジカルの部分で、しっかりタックルがきまれば倒せる場面もありましたが、高い姿勢でいってしまうと相手のパワーで負けてしまいました。スーパーラグビー初キャップとなった今日の試合では、最初は緊張しましたが、試合は楽しむことができました」

と反省点を交えつつ自身のパフォーマンスを振り返った。

リザーブから今季初出場し、ゲインにアシスト、トライにつながるキックオフボールのキャッチなどを決めたWTB山田章仁は、

「試合に入る時は、自分たちのアタックを最後まで継続してやれば、スコアに繋がると感じていたので、(リザーブメンバーとして)流れを変えて勝つところまで持っていきたかったですが、勝ちきる事ができませんでした。最後は少し詰めが甘かったですね。非常に残念です」

と個人的な出来には言及せず、チームの敗戦を悔しがった。

6月15日(土)最終節となる第18節、サンウルブズはアルゼンチンで南アフリカカンファレンス首位のジャガーズと対戦する。今季好調の相手から勝ち星を得て昨季に並ぶ3勝目を手にできるか、調子が上がってきたサンウルブズの今季ラストマッチに注目してほしい!

◇FL松橋周平が出色の活躍! 日本代表残留へ猛アピール

サンウルブズの7番を背負って先発したFL松橋周平が、キックオフから80分間フル出場し非の打ち所のない活躍を見せた。

前半25分には相手ボールのラックで見事ジャッカルに成功しターンオーバー。直後の前半28分にもタックルで相手のノックオンを誘うなど、随所で激しく、また効果的なプレーを見せてサンウルブズにたびたび勢いをもたらした。

今季開幕前はサンウルブズに練習生として招集され、スーパーラグビーの開幕戦で正式契約に至ったFL松橋。シーズンの最終盤にきてさらに目立った活躍を見せた。同じくアピールに成功したWTB山田章仁らも含め、最終節でもさらにアピールし、再び日本代表候補に絡むか大いに気になるところだ。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。