RWC2019

サンウルブズ、強豪ブランビーズに33-0で完封負けを喫し5連敗

2019.5.12 18:00

スーパーラグビー第7節のワラターズ戦(31-29で勝利)以来勝利から遠ざかり4連敗中、2勝9敗(勝ち点12)で依然としてオーストラリアカンファレンス最下位のヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)。

5月12日(日)の第13節、サンウルブズは前節のレッズ戦に続きオーストラリアに留まり、同カンファレンス2位のブランビーズと敵地GIOスタジアム(キャンベラ)で対戦した。ブランビーズは5勝6敗(勝ち点24)と負け越してはいるものの、ここひと月はライオンズ(南アフリカ)やブルーズ(ニュージーランド)を破って3勝1敗と好調だ。

サンウルブズは国際経験豊富なSO田村優が今季初先発し10番に入り、今季これまで全試合出場してきたSOヘイデン・パーカーは2試合目のリザーブ入り。FW第1列には前節に続きPR三上正貴、HO堀江翔太、PR山下裕史の3人が並び、FBには山中亮平が7試合連続先発を果たすなど、要となるポジションに日本代表候補が勢揃いした。ゲームキャプテンにはFLダン・プライアーが復帰し、リザーブのPRにはアイルランドのコナートから移籍してきたばかりのコナン・オドネルが入った。

メンバー発表時、サンウルブズのトニー・ブラウンHC(ヘッドコーチ)はSO田村の活躍に期待を込めた。

「田村優が今シーズン初めて先発メンバーとして出場します。今シーズンの出場時間はまだ長くはありませんが、この2週間でチームにしっかりフィットしてきたと思います。今回の先発出場は彼にとってチャンスだと思います。いいパフォーマンスを期待しています」

対するブランビーズは、日本の豊田自動織機でもプレーしたキャプテンのSOクリスチャン・リアリイファノをはじめ、主にラインアウトモールからトライを量産中でリーグトップの10トライを挙げているHOフォラウ・ファインガア、スクラムで無類の強さを発揮するスコット・シオとアラン・アラアラトアの両PR、そしてCTBテヴィタ・クリンドラニやWTBヘンリー・スぺイトといったオーストラリア代表経験者がずらりと並んだ。

サンウルブズのブラウンHCはブランビーズについて「今週はブランビーズの強いモールをしっかり止めて、サンウルブズのラグビーを出すことにフォーカスして準備してきました」と語り、相手が得意とするモールからトライを狙うパターンへの対策を講じたと明かし、その成果が出るか否かが注目ポイントのひとつとなった。

サンウルブズSO田村のキックオフで始まった。前半、いきなりトライチャンスを迎える。前半2分、敵陣でのマイボールラインアウトを起点とするアタックからSO田村の相手ディフェンス裏へのキックにCTBジョシュ・ティムが反応し抜け出すと、ラックからSH茂野海人、SO田村、FB山中とつなぎ、ラストパスを受けたWTBゲラード・ファンデンヒーファーがインゴールへ飛び込んだ。

しかしTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)の結果、ブランビーズSHジョー・パウエルのタックルを受けたWTBファンデンヒーファーの足がタッチに出ていたためトライは認められず。サンウルブズは先制トライのチャンスを逸した。

切り替えてアタックし続けたいサンウルブズだったが、前半13分にはブランビーズWTBスぺイトに、16分にはSHパウエルに連続トライを決められ、14-0とリードされてしまう。いずれも敵陣深い位置まで攻めてから失ったトライで、サンウルブズとしてはブランビーズの速攻に対する切り替えの面で不安が残った。前半7分にLOグラント・ハッティングが、18分にFB山中亮平が負傷交代したことも影響したと言えよう。

前半23分にはブランビーズが得意とするラインアウトモールを止めてモール停滞を誘い、モールディフェンスで成果を見せたサンウルブズだったが、27分にも相手のモールをゴール前で止めたものの、右へ大きく展開されWTBスぺイトにトライを決められ19-0となり、サンウルブズは無得点のまま前半を折り返した。

後半に入ってもサンウルブズは決定的なチャンスを作りことができず、12分にはブランビーズボールのスクラムを起点にWTBスぺイトにビッグゲインされると、最後はFBトム・バンクスにトライされ、スコアは26-0。

反撃したいサンウルブズは後半17分台にかけて13フェーズを重ねたものの、ブランビーズの激しいディフェンスを前に得点には至らず、無得点の時間帯が続く。逆に24分、ブランビーズNo8ピート・サミュのトライで33-0とされ、さらに点差を広げられた。

サンウルブズは後半35分、敵陣深い位置でWTBジェイソン・エメリーがインゴールにグラウンダーのキックを放ったもののボールに追いつける選手がおらず、40分には途中出場のHOジャバ・ブレグバゼがインゴールに体を押し込むもTMOの末にノックオンとなり、最後まで得点できないまま33-0で敗れた。

サンウルブズは第11節のハイランダーズ戦に続く完封負けで5連敗、今季2勝10敗(勝ち点12)となった。勝ったブランビーズは3トライ差以上のボーナスポイント1を含む勝ち点5を上乗せし、カンファレンス首位に躍り出た。

ブランビーズのキャプテン、SOリアリイファノは快勝に満足の様子でこのようにコメントした。

「ターンオーバーもよく取れたし、セットピース、相手へのプレッシャーと全てのところでうまく行ったので、結果的にボーナスポイントでの勝利と完封で終えることができて満足している。トライを多く取れたことよりも、相手を0点に抑えたということは、それだけ我々のディフェンスがよかったことなので、それによってアタックもしやすくなったので評価したい。カンファレンスの首位に立ったが、これをキープするにはこのようなパフォーマンスを続けていかなくてはならない」

敗れたサンウルブズのゲームキャプテン、FLダン・プライアーは復帰戦を飾れず唇をかんだ。

「非常に残念だ。エリアを取ることができず、スクラムも支配され、ブレイクダウンでも勝てなかった。ブランビーズのディフェンスに負けてしまったのがすべてだ。悔しいが、それでも我々は自分たちの道をまた進んでいかないといけない」

連敗を止めることができず、3勝目が遠いままのサンウルブズ。次節はBYE(休みの週)となり、約2週間後となる5月25日(土)の第16節はレベルズと、6月1日(土)の第17節は再びブランビーズと、いずれもホームの秩父宮ラグビー場で対戦する。

今シーズンのサンウルブズはこの2試合で東京での試合は見納めとなる。休養と準備を経て、まずは昨季に並ぶ3勝目を日本のファンの目の前で見せてほしい。

◇前座試合で「ウルフパック」がブランビーズBに66-17で圧勝!

ブランビーズ対サンウルブズ戦の前に、その前座試合としてウルフパック対ブランビーズBの一戦がGIOスタジアムで行われた。

「ウルフパック」とはRWCTS(ラグビーワールドカップトレーニングスコッド)、NDS(ナショナルデベロップメントスコッド)、そしてサンウルブズのメンバーによって構成された特別チームで、3月の初戦から数えてこの試合が5試合目となった。

試合は前半からウルフパックのゲームキャプテンでFLのピーター・ラブスカフニ、FL布巻峻介、No8姫野和樹らがトライを重ね、38-7という大差で試合を折り返す。後半も最後までトライし続けたウルフパックが計9トライ、FL布巻とNo8姫野が2トライずつという活躍で66-17という大差で圧勝した。

SO松田力也のプレースキックも光った。9度のコンバージョンゴール、1PGを全て決めて、成功率は10分の10で100%という精度の高さを見せつけた。

これでウルフパックは4連勝となり、通算戦績は4勝1敗。5月17日(金)にはレベルズBとメルボルンのAAMIパークで対戦する。現状はこれがウルフパックとしての最終戦となるため、5連勝で締めくくってチームとしていい感触をつかんだ上で、6月の宮崎合宿を迎えたいところだろう。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。