RWC2019

サンウルブズ、カード多発でレッズに32-26で敗れて3勝目ならず

2019.5.3 21:59

5月3日(金)、スーパーラグビーは第12節を迎えた。ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)はオーストラリアに遠征し、第5節で31-34と惜敗したレッズとサンコープ・スタジアム(ブリスベン)で対戦した。

前節終了時点で2勝8敗、勝ち点11でオーストラリアカンファレンス5位に沈んでいるサンウルブズとしては、シーズン3勝目、そして「令和」初勝利を目指すと同時に、同4位のレッズ(4勝5敗・勝ち点18)に前回対戦の借りを返すには絶好の機会となった。

今季初となる黒のオルタネイトジャージーで試合に臨んだサンウルブズは、PR三上正貴、HO堀江翔太、PR山下裕史の日本人フロントローが先発に揃い踏み。チームトップの7トライを挙げているWTBセミシ・マシレワ、長く好調を維持するFB山中亮平が6試合先発となったほか、レッズで活躍したFLツイ ヘンドリック、インサイドCTBから本来のポジションに戻ったNo.8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ、日本代表入りへ猛アピール中のSH茂野海人、そして今季全試合出場中のWTBゲラード・ファンデンヒーファーらが先発。ゲームキャプテンは前節に続いてLOトンプソン ルークが務めた。

一方のレッズは、オーストラリア代表の主力でもあるCTBサム・ケレヴィ(キャプテン)、LOアイザック・ロッダ、WTBセファナイア・ナイヴァルらをはじめ、トップリーグを経験しているHOアレックス・マフィ(NTTコミュニケーションズ)、No.8スコット・ヒギンボサム(NEC)、SOブライス・ヘガティ(元豊田自動織機・元リコー)、CTBクリス・フェアウアイ=サウティア(元近鉄)といった日本と縁のあるプレーヤーが先発した。

前半、先制したのはサンウルブズだった。4分、10分とSOヘイデン・パーカーが続けてPGを決めて、スコアを0-6とする。13分にはレッズSOヘガティにPGを決められ(3-6)、直後の14分にはレッズNo.8ヒギンボサムがインターセプトから独走、最後はSOヘガティにトライを許して8-6と逆転されてしまった。

しかし前半20分、サンウルブズは敵陣でスクラムからのアタックでSH茂野からパスを受けたSOパーカーがグラバーキックを右前方へボールを転がすと、WTBファンデンヒーファーがインゴールで追いついてトライ。難しい角度からのゴールもSOパーカーが決めて、サンウルブズが8-13と逆転。

その後、前半24分にPR三上、36分にWTBマシレワがそれぞれ接点でペナルティを犯しシンビン(10分間の一時的退出)となるなど数的不利な状況に陥ったサンウルブズだが、粘りのディフェンスを見せて8-13と5点のリードをキープしたままハーフタイムを迎えた。

後半、1人少ない状態で迎えたサンウルブズは、3分にレッズPRタニエラ・トゥポウにトライを許し15-13と早くも逆転される。7分にはSOパーカーのPGでサンウルブズが15-16と再逆転したものの、直後の後半10分、シンビンからピッチに戻ったばかりのWTBマシレワが、今度はハイタックルでレッドカード(イエローカード2枚累積による退場)となり、サンウルブズは残り約30分間を14人で戦うことを強いられた。

数的不利の影響もあり、後半11分にはレッズWTBナイヴァルにトライを決められ、22-16と再び逆転されてしまったサンウルブズ。19分にはレッズSOヘガティのPGで25-16と9点差に広げられてしまう。

それでもあきらめないサンウルブズは21分にSOパーカーがPGを決めて26-19と6点差に戻す。さらに27分、レッズで対して、ハイパントキックからディフェンスでプレッシャーをかけて、WTBファンデンヒーファーが相手のパスをインターセプトし独走し、中央にトライ。SOパーカーが難なくゴールを決めて、ついにサンウルブズが26-27と再逆転に成功した。

残り10数分、何とかして逃げ切りたいサンウルブズだったが、後半30分には途中出場したばかりのCTB田村優がラインオフサイドでシンビン。13人とさらに数的不利になり、32分にはラインアウトモールからレッズHOブレンダン・パエンガ=アモサにトライを決められ、32-26とまたも逆転される。

試合最終盤の後半36分にはサンウルブズNo.8ウォーレンボスアヤコがシンビン、レッズLOハリー・ホッキングスがレッドカード(一発退場)となり、サンウルブズは12人に(レッズは14人)。人数がさらに少なくなったなかでも敵陣でチャンスを作り、トライを目指したサンウルブズだったが、数的不利な状況を覆すことができず、そのまま32-26で敗れた。

17のペナルティとカードが大きく影響し、あえなく4連敗となったサンウルブズ。2勝9敗とまたも黒星を増やしてしまったものの、7点差以内の敗戦で得られるボーナスポイント1を獲得し、総勝ち点を12に伸ばした。

辛くも勝ったレッズのキャプテン、CTBケレヴィは試合後のインタビューで、

「序盤は心構えがうまくいかなかったが、我々として落ち着いてアタックを遂行することを心がけた。サンウルズはいいシーズンを過ごしていたので警戒していた。相手が14人になったのはラッキーだったが、SOにはパーカーなど注意しないといけない選手がいて強かったので、我慢強く最後までやることを心がけた」

と語り、サンウルブズを十分警戒した上での勝利であると強調した。

敗れたサンウルブズのゲームキャプテン、LOトンプソンは、

「とても無様な試合になってしまった。勝てたはずの試合を壊してしまった形になってしまって残念です。それでも最後まであきらめない気持ちを持って、今までやってきたことを出したので、人数が少なくても再び勝つ状況を作ることができたが結果が出せなかった。次の試合に向けて切り替えていくしかない」

と唇をかみつつ、次戦を見据えた。

サンウルブズは引き続きオーストラリアに留まり、5月12日(日)ブランビーズとGIOスタジアム(キャンベラ)で対戦する。

来週にはRWCTS(ラグビーワールドカップトレーニングスコッド)も渡豪し、同日、同会場で「ウルフパック」としてブランビーズBと対戦する。この間にサンウルブズとの一部スコッドの入れ替え、フレッシュなメンバーの投入も可能となるだろう。次戦こそ連敗を止める3勝目に期待したい。

 

◇一人気を吐いたWTBファンデンヒーファーが2トライの活躍!

サンウルブズで唯一、全試合先発フル出場中のWTBゲラード・ファンデンヒーファーがこの試合で2トライ(今季通算5トライ)の活躍を見せた。

1トライ目は前半20分、SOパーカーのグラバーキックに反応してトライ。2本目は後半27分、インターセプトからの独走トライで、いずれも逆転につながる重要なトライを決めた。陣地を大幅に挽回するロングキックも見せ、あらためて能力の高さをアピールした。

前節終了時点ではランメーターは705mでリーグ2位につけていたWTBファンデンヒーファーはこのレッズ戦でランメーターを772mに伸ばし、この時点では暫定ながらリーグ1位につけた。ボールキャリーも103回で暫定5位タイとした。

リーグ屈指の数値を叩き出しているサンウルブズ不動の14番には、残る5試合も大車輪の活躍を期待したい!

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。