RWC2019

サンウルブズ、ハイランダーズの勢いを止められず。0-52と初の完封負け

2019.4.26 23:54

4月26日(金)の三菱地所スーパーラグビー2019(以下スーパーラグビー)第11節、オーストラリアカンファレンス5位(2勝7敗・勝ち点11)で迎えたヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)はニュージーランドカンファレンス4位(3勝1分け5敗)のハイランダーズをホームの秩父宮ラグビー場に迎えて対戦した。

前節のハリケーンズ戦に続いて19時キックオフのナイトゲームとして行われ、13,423人もの観客がサンウルブズの今季ホーム初勝利を期待しながら試合を見守った。

ハイランダーズは、現サンウルブズのトニー・ブラウンHC(ヘッドコーチ)が現役時代にプレーし2017年には指揮官を務めた古巣で、サンウルブズのSH田中史朗、SOヘイデン・パーカー、リザーブのCTBジェイソン・エメリーらも元ハイランダーズの選手だ。2015年にハイランダーズをスーパーラグビー初優勝に導いたのは現日本代表のジェイミー・ジョセフHCであり、なにかと縁のある相手だ。

サンウルブズはその他、日本代表候補(RWCTS=ラグビーワールドカップトレーニングスコッド)からサンウルブズに合流したHO堀江翔太、SO田村優が早速リザーブ入り。ゲームキャプテンを務める予定だった元ハイランダーズのFLダン・プライヤーは急遽欠場し、代わってLOトンプソン ルークがゲームキャプテンを務めた。

対するハイランダーズは、かつてサンウルブズSH田中とともに汗を流したニュージーランド代表不動の9番、SHアーロン・スミスが先発。また、共同キャプテンのFLルーク・ホワイトロック、HOリーアム・コルトマン、No.8エリオット・ディクソンといったオールブラックス経験者が出場した。もうひとりの共同キャプテンで、同代表の常連でもあるFBベン・スミスは来日しなかった。

時折小雨が降る中、試合はキックオフされた。しかし前半からハイランダーズに主導権を握られてしまう。

開始早々の5分、その直前のサンウルブズのスクラムでのコラプシングをきっかけに自陣に攻め込まれると、神戸製鋼で活躍したハイランダーズLOトム・フランクリンにトライを決められる(0-7)。その後も12分にはPRティレル・ロマックスに(0-12)、14分にはWTBテヴィタ・リーに(0-19)、20分にはキッカーを務めるSOジョシュ・イオアネに立て続けにトライを決められ、サンウルブズは0-26と一気に突き放されてしまった。

前半のうちに反撃したいサンウルブズだったが、その後もチャンスを作ることができず、逆に前半32分、ハイランダーズのラインアウトモールからHOコルトマンにトライを許し、0-33で前半を折り返す。

巻き返しを図りたいサンウルブズはベンチメンバーを積極的に投入したが、後半の先手を取ったのもハイランダーズだった。12分、WTBテヴィタ・リーに自身2トライ目を決められ、スコアは0-40に。20分にはCTBロブ・トンプソンに、直後の24分にはWTBシオ・トムキンソンに連続トライを許し、0-52とついに50点以上の大差がついてしまった。

一矢報いたいサンウルブズは29分、途中出場していたCTB田村優のパスを受けたWTBセミシ・マシレワがトライを決めたかに見えたものの、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)の結果、そのラストパスがスローフォワードという判定となりノートライに。

そしてホーン後のラストプレーでも、自陣でパスを受けたFB山中亮平がビッグゲインし最後のトライチャンスを作ったが、結局活かすことができず0-52のままノーサイドを迎えた。スーパーラグビー参入4年目のサンウルブズ史上初となる無得点の敗戦となってしまった。

試合後の記者会見で、ハイランダーズのアーロン・メイジャーHCは勝因について、

「今週、1週間かけてサンウルブズの話をチームでしてきた。サンウルブズはかなりやってくるだろうと、危険なチームだという認識のもと準備してきた。分析の面も1週間かけて十分に行ってきた」

と語るとともに、

「この1週間、日本のみなさんの温かいおもてなしを受けて、快適に1週間を過ごすことができ、日本の文化にも触れることができて、そして今日のこのようなパフォーマンスができて相手を0点に抑える最高の結果になった。観客も素晴らしく、今日の観客もスーパーラグビーのファンの一部だと思っている」

と日本への感謝も忘れなかった。

サンウルブズのブラウンHCは敗因について問われると、

「しっかり準備しないとこてんぱんにやられてしまうということ。メンタル面で十分な準備ができていなかった。最初の40分はすごくがっかりした。ハイランダーズのフィジカル、ブレイクダウン、セットピースがすごくよかったので、ハーフタイムは『しっかり自分たちのゲームをしよう』、そして『ボールをしっかりスペースに運ぼう』と話した」

と、後半、修正を図ったものの勢い付けることができなかったことを悔やんだ。

急遽ゲームキャプテンを務めたLOトンプソンは、

「サンウルブズはナショナルチームとは全く違うチームなので、1週1週集中してやらないといけないということ(が収穫)。学んだのは、ニュージーランドのスーパーラグビーのチームに対してはベストの状態で臨まないと52点差という結果になる。サンウルブズはスロースターターなので、やはりこのような結果になってしまった」

と語り、肩を落とした。

サンウルブズは5月3日(金)の次節、敵地オーストラリア・ブリスベンでレッズと対戦する。第5節は31-34で惜敗した相手だけに、ハイランダーズ戦の大敗を払拭するような勝利に期待したい。

◇FB山中亮平が5試合連続先発! パフォーマンスも好調を維持

残念ながら試合には負けてしまったが、思いきりのいいランでチームの最後尾からアタックでチームに勢いをつけていたのはFB山中亮平だった。3月中旬に日本代表候補の沖縄合宿からサンウルブズに合流して、今日の試合で5試合連続の先発出場となった。

山中は試合を振り返って「前半はコンタクト、フィジカルといったラグビーの大事なところができていなかった。個人のスキルミスも多かった」と肩を落とした。

ただ昨年度のトップリーグで神戸製鋼の優勝に貢献してから、山中個人は試合ではいいパフォーマンスを継続している。

その意図を「(日本代表の)ジョセフHCはアタックでもディフェンスでも一貫性を求めているので意識している。中途半端なプレーはしないでおこうとしているのが上手くいっている。決めたこと、自分の役割をやりきることを明確にしているので、プレー自体がよくなってきた」と説明した。

「2019年のワールドカップが最後のチャンス」と意気込む30歳のベテランFBが、サンウルブズでのアピールを続けている。はたして、このまま好調を維持して、ワールドカップ日本代表スコッドに入りすることができるか。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。