RWC2019

2022年1月、日本ラグビー激変! 8チーム×3部制予定の「トップリーグネクスト」開幕へ

斉藤健仁の「ジャパンの現在地」第4回
2019.4.26 11:30

 日本ラグビーの新たな枠組みが示された。

 4月25日(木)、都内でトップリーグ(ジャパンラグビートップリーグ)の代表者会議が行われ、日本ラグビー協会から「トップリーグネクスト」の案が提示された。8月中旬以降、ワールドカップが開幕するまでには、2021年度以降の新たなリーグ案が決定されるという。

 まず、リーグ再編の目的は①トップリーグ創設の本来の目的である日本代表の強化に資すること②スタジアムなど2019年ワールドカップのレガシーを活かすこと③国際競争力をつけることだったという。

 前提として、まだ正式決定していないがラグビーの国際的な統括組織である「ワールドラグビー」より、2022年からの世界の強豪12チームによる総当たりの「ネーションズチャンピオンシップ」開催が提案され、ラグビー日本代表も参加の意向を示していることが挙げられる。まだ状況がどうなるかは予断を許さないが、今後、日本代表の活動は7月から11月までになる予定だ。

 2022年から日本代表は、7月はホームで北半球の強豪と対戦し、8月から10月には現在、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンが対戦している「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」に参加し、11月はアウェイで北半球と対戦するというスケジュールになりそうだ。

 また15年間行われてきたトップリーグは、10点差のゲームが3~4割ほどだったため、接戦を増やすこと、さらにスタジアムを確保するという観点も加味された。さらに、今後、国際競争力をつけるために、海外のチームとの対戦も念頭に入れているという。

 リーグはプロ化せず、企業スポーツという体制は堅持されたままだが、運営はトップリーグが独立してフルタイム化(プロ化)しつつ、結果、下記のような案が提示されたという。

①2022年1月(21年度)から新たなリーグが開催され、シーズンは1月から5月

②現在トップリーグ16チーム、トップチャレンジリーグ8チームを、8チームずつの3 部制に再編し、ホームアンドアウェイで対戦する。1部は「トップリーグエイト」(仮称)、2部が「トップリーグ」、3部が「トップチャレンジ」となる予定だ。降昇格はあるという。

③企業名プラスチーム名に、地域名をつけてホーム&アウェイで対戦する(もちろん企業 名だけでもいい)。ただし、チーム事情によりホームタウンを1つにすることが難しい場合も配慮し「ホストエリア」「ホストスタジアム」を決める。つまり、ホームスタジアムとして主に使うスタジアムを決めつつ、チームによってはホームとする都市や町を複数持つということになろう。

④国際競争力をつけるため、スーパーラグビーやフランス「トップ14」のチームと対戦する。この1年間でもブランビーズ、ワラターズと対戦し、トップリーグ選抜がクレルモンと対戦した。トップリーグ王者が、他の国のリーグの優勝チームと対戦することなどを念頭に置いているはずだ。

「ネーションズチャンピオンシップ」がまだ本当に開催されるかわからない。1月から5月に開催されるということでチームによっては雪の影響が出てきたり、他のプロスポーツと時期が重なったりすることも想定される。リーグのプロ化ではないが、興行権を得てプロ的に試合を運営するチームも出てくれば、現状のままのチームも出てくることが予想され、本当に盛り上がるのかという不安もある。

 ただ選手の「ウェルフェア」という観点から見ると、テストマッチは最大12試合ほど、新たなトップリーグではリーグ戦とプレーオフも合わせて16試合、海外との試合やカップ戦を行ったとしても30試合未満にはコントロールすることができる。

 たとえば代表の試合に出場した時間数の多い選手は、12月は完全オフとし、新しいトップリーグの最初の2節は休養に充てるということを明文化することも可能だろう。

 なお新リーグは2022年(21年度)からであって、2019年度(2020年1月開幕)、2020年度は、トップリーグは16チームで行われて、2020年度は、「トップリーグエイト(仮称)」に入るための、しのぎを削ることになろう。

 会見に出席した太田治トップリーグチェアマン代行は「ワールドカップのレガシーをどう残していくか。(日本代表の日程に影響されない)今後10の方向性を示させていただいた」と言えば、河野一郎副会長は「すぐに(サッカーの)Jリーグに肩を並べるのは無理。(バスケットボールの)Bリーグが150億円ほどなので、10年後には(トップリーグも)200万人を動員し、100億円規模のビジネスにしたい」と意気込んだ。

 個人的には、今回のリーグ再編には賛成である。まず、トップリーグの日程、システムが猫の目のように毎年変わってしまうと、ファンにとってはわかりづらかった。システムと日程が固定されることは歓迎されるだろう。

 ホーム&アウェイに近いシステムになり、レベルの高い接戦が増えれば、選手の強化はもちろん、強豪同士の対戦ではある程度の観客増加も見込まれるだろう。また内定選手は大学のシーズン終了後に在籍予定のチームでプレーすることができるようになれば、若手選手の育成にもつながりそうだ。

 いずれにせよトライアンドエラーで、もし問題があればその都度、修正、改善していけばいいはずだ。隗より始めよ、である。トップリーグが日本で行われるワールドカップを経て、そのレガシーを上手く活かしつつ、日本代表の強化につながる、国際競争力のある、そしてファンに愛されるリーグになることを願うばかりだ。

この記事を書いたひと

斉藤 健仁KENJI SAITO

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365 」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。