RWC2019

名門校が有力な人材を輩出! 出身校&地域で見る日本代表候補

斉藤健仁の「ジャパンの現在地」第3回
2019.4.12 17:25

 いよいよラグビーワールドカップ開幕まで5ヶ月を切ろうとしている。ラグビー日本代表候補選手たち約60名は、4月、スーパーラグビーに参戦しているサンウルブズと「ウルフパック」の2つのチームに分かれて実践を積む。

 サンウルブズは4月19日(金)、26日(金)とホーム東京・秩父宮ラグビー場でニュージーランドの強豪で優勝経験のあるハリケーンズ、ハイランダーズと対戦する。

 一方、狼の群を意味する「ウルフパック」はRWCTS(ラグビーワールドカップトレーニングスコッド)、NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)、サンウルブズスコッドらを中心に編成した特別チームで、20日(土)に市原・ゼットエーオリプリスタジアムでハリケーンズBと、27日(土)に秩父宮ラグビー場でウェスタン・フォースと対戦する。

 常々「日本代表選手層が薄い」と訴えていた日本代表を率いるジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は「(約60名)全員に試合機会を与える」と言っていたが、まさしく、その通りになりそうだ。ワールドカップ本大会のメンバー登録は31名だが、ケガなどを考慮すると各ポジション4人くらい揃えて置きたいというのが本音だろう。

 また日本代表候補選手たちは6月に宮崎で行われる日本代表合宿に参加できるかどうかが大きな関門となるだろう。35~40名が参加する予定で、ワールドカップ本番の前に、7月末から8月にかけて、フィジー代表、トンガ代表、アメリカ代表と戦うパシフィック・ネーションズカップに備える。

 RWCTS、NDS、サンウルブズに参加している選手は約60名。サンウルブズの練習中にケガしたHO庭井祐輔(キヤノン)やNDSに名前があるが合宿に招集されていないPR三浦昌悟(トヨタ自動車)、須藤元樹(サントリー)、現在、チーフスでプレーし唯一の海外組のWTBアタアタ・モエアキオラ(神戸製鋼)も入れての数字だ。

 まず、現在の日本代表候補選手の中で、日本の大学出身者ではどの大学が多いか数えてみた。

 やはりHO堀江翔太(パナソニック)、SH流大(サントリー)らを筆頭に、2017年度まで大学選手権で9連覇を達成した帝京大が最多の9人と、一大勢力になっている。そして、優勝こそしていないが、FLリーチ マイケルキャプテンらの出身大学であり、この10年で3度の準優勝を誇る東海大出身者が6人とそれに次ぐ。

 3位は一昨年度準優勝で、昨年度、22年ぶりに優勝した明治大出身者が4人、4位の筑波大が3人と続き、やはり、関東の強豪校出身者が多い。

 2人の5位タイは関東では早稲田大、法政大、大東文化大、拓殖大、流通経済大、関西では天理大、京都産業大、立命館大、京都産業大、関西学院大出身者だ。

 続いて出身高校を見てみると、日本の高校出身者は40名ほどで、この10年で優勝3回、準優勝2回の大阪の強豪・東海大仰星(現・東海大仰星大阪)と京都の名門・伏見工業(現・京都工学院)出身者が4人ずつと最多を誇る。そして2人輩出しているのは正智深谷(埼玉)、報徳学園(兵庫)、桐蔭学園(神奈川)の3校だ。

 また出身校の地域別でみると、関西出身は16人、九州出身は7人と半数以上が「西」の高校出身の選手であり、特にゲームをコントロールするSH、SOのハーフ団の選手は8人中6人が関西以西出身の選手となっている。

 中部から関東、東北、北海道の高校出身者の選手はそれほど多くなく、たとえば、東京の高校を卒業した選手は國學院久我山出身のPR須藤、目黒学院出身のWTBモエアキオラの2人のみだ。

 東海大仰星出身のFB山中亮平(神戸製鋼)、FB野口竜司(パナソニック)ら、東福岡(福岡)出身のFL布巻、桐蔭学園出身(神奈川)のFB松島幸太朗らは「花園」こと全国高校ラグビー大会で優勝を経験しているが、HO堀江、PR木津悠輔らは「花園」に出場すらできなかった。花園に出場できなくても、大学以降の努力で、日本代表や日本代表候補への階段を登ってきたというわけだ。

 ラグビーでは高校は「西高東低」、大学は「東高西低」と言われて久しいが、現在の日本代表候補選手でも同様の数字となった。今後、ポジション争いも佳境に入る中、いずれにせよ2019年ワールドカップの日本代表は帝京大&東海大出身の選手たち、そして関西以西の選手たちがチームを引っ張ることになることは間違いなさそうだ。

この記事を書いたひと

斉藤 健仁KENJI SAITO

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365 」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。