RWC2019

サンウルブズ、31-29で強豪ワラターズにオーストラリアの地で歴史的初勝利!

2019.3.29 21:00

ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)は前節、ホームのシンガポールでライオンズに24-37で敗れ、1勝5敗で勝ち点6。オーストラリアカンファレンス最下位の5位となってしまった。

ショートウィーク(休養の少ない週)となった3月29日(金)の第7節はオーストラリアのニューカッスルに移動し、同カンファレンス首位(3勝2敗・勝ち点14)の強豪ワラターズと相見えた。第2節の東京・秩父宮ラグビー場での対戦では30-31とわずか1点差で敗れただけに、そのリベンジを目指す一戦ともなった。

サンウルブズは前節から一部メンバーを変更、チーフス戦で負傷したSH茂野海人が先発復帰。LOにはヘル ウヴェ、FLにはツイ ヘンドリックが先発。前節に続いてFLダン・プライアーがゲームキャプテンを務め、その弟LOカラ・プライアーが初めてリザーブ入りし、兄弟揃っての初出場の瞬間を待った。なお、23番は試合直前にCTBジョシュ・ティムからWTBホセア・サウマキに変更となった。

対するワラターズは、SOバーナード・フォーリーは欠場したものの、キャプテンのFLマイケル・フーパーをはじめPRセコペ・ケプ、ネド・ハニガンとロブ・シモンズの両LO、SHニック・フィップス、CTBカートリー・ビール、そしてFBイズラエル・フォラウと、オーストラリア代表としても経験豊富なメンバーが数多く並んだ。前節はリーグ連覇中のクルセイダーズ(ニュージーランド)を20-12で撃破しており、チームとしての充実ぶりがうかがえた。

試合は前半キックオフ早々からいきなり動き出す。2分、ワラターズのSHフィップスにラインアウトを起点にトライを許し7-0と先制される。11分にはサンウルブズSOヘイデン・パーカーがPGを決めて7-3としたものの、15分にはワラターズWTBキャメロン・クラークに2トライ目を決められ、12-3とリードを広げられる。

トライが欲しいサンウルブズは前半20分、敵陣でのマイボールスクラムからアタックを仕掛け続けて、迎えた11フェーズ目にLOグラント・ハッティングがインゴールへ手を伸ばしてトライ。SOパーカーのゴールも成功し、12-10と2点差に迫る。

さらに30分、ワラターズSHフィップスのキックをサンウルブズが敵陣でキャッチし、そこから再びフェーズを重ねる。22メートルライン付近のラックから大きく左に展開すると、FLツイのオフロードパスからFLダン・プライアーが前進。並走したWTBセミシ・マシレワがラストパスを受けトライを決めて、12-17とサンウルブズが逆転に成功する。

35分にはワラターズSOマック・マイソンにPGを決められたものの、サンウルブズは15-17とリードしたまま前半を折り返した。

後半、ホームで負けられないワラターズはキックオフ間もない3分、自陣からフェーズを重ねて最後はキャプテンのFLフーパーがトライ。22-17とサンウルブズが逆転を許してしまう。

だが後半9分、今度はサンウルブズが反撃。ハーフウェイライン付近でのマイボールラインアウトを起点にパスを回し、WTBマシレワが自陣から一気にトップスピードで敵陣を駆け抜けて右隅にダイビングトライ。SOパーカーも難しい角度からのゴールを鮮やかに決めて、サンウルブズが22-24と再逆転に成功する。

さらに13分、ワラターズのラインアウトからのアタックでパスが乱れ、こぼれたボールをサンウルブズWTBマシレワがそのまま拾い上げてインゴールまで走り切り、ハットトリックとなる3トライ目を決める。SOパーカーが難なくゴールを成功させて、サンウルブズが22-31とリードを広げた。

ワラターズも後半25分、敵陣ゴール前でのペナルティーからクイックリスタートしたCTBビールがトライとゴールを決めて、29-31と2点差に詰め寄る。しかし最後までワラターズのアタックにプレッシャーをかけ続けたサンウルブズがそのまま逃げ切り、29-31でノーサイド。

サンウルブズはオーストラリアの地で4年目にして初勝利、そしてカンファレンス首位ワラターズから初白星を手にして、価値ある勝ち点4を獲得、総勝ち点は10となった。

ホームで敗れたワラターズのキャプテン、FLマイケル・フーパーは落胆の色を隠せなかった。

「完全にやりかえされてしまいました。サンウルブズは足を使ってくるし、コンテストも激しいので、簡単にゲインさせてしまって、なかなか自分たちのペースに持っていくことができませんでした。とても残念です。(前半はスクラムが悪く、後半はロングキックの精度がよくなかったが)非常に精度に欠けていたと思います。サンウルブズのプレッシャーが強くて修正しようとしても上手くいかなかったし、後半、選手を入れ替えてもそれが功を奏することがありませんでした。先週と比べると一貫性のないパフォーマンスにがっかりしています」

ホームで1点差で敗戦していたが、敵地でリベンジに成功したサンウルブズのゲームキャプテン、FLダン・プライアーは笑顔でこのようにコメントした。

「選手たちはほぼ休みないスケジュールで毎週練習してきました。疲れもありますが、そうした積み重ねが報われましたし、パフォーマンスにも出ました。途中で流れが良くない場面やミスもありましたが、みんなで諦めずに声を掛け合っていき、勝利につなげられました。WTBマシレワの足は魔法だし、SOパーカーの足も素晴らしい。素晴らしい選手たちの力が出せた結果だと思います」

サンウルブズは、これまで規律やプレー精度などの面で課題を残しつつも、第2節のワラターズ戦のように僅差に持ち込んだが勝てない試合が続いていたが、ついに勝利を手にした。

チームは引き続きオーストラリアに留まり、第8節の4月6日(土)、レベルズと敵地メルボルンで対戦する。このまま勢いに乗って敵地での連勝を目指してほしい!

◇勝利の立役者はハットトリックのマシレワとゴール成功率100%のパーカー!

サンウルブズが誇るランナーとキッカーが輝きを放った試合となった。

ランとステップが武器のWTBセミシ・マシレワは、前半30分、後半9分、そして後半13分とトライを決めて、見事ハットトリックを達成した。これまではミスや反則も目立った試合もあったが、それを払拭するかのように一人で15点を獲得、勝利に大きく貢献した。

SOヘイデン・パーカーはこの試合でもすべてのプレースキックを成功させ、開幕から27本中27本、成功率100%を維持している。後半9分のWTBマシレワのトライ後のゴールは右タッチライン際からの難しい角度となったが、一度はゴール右に逸れながら左に戻りポールの間を通過させる芸術的なキックを放った。

こうした功労者たちのハイパフォーマンスが続けば、3勝目をもぎ取る日もそう遠くはないだろう。マシレワとパーカーの今後の活躍に期待したい。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。