RWC2019

サンウルブズ、3年連続準優勝のライオンズに24-37で敗れるも3トライを挙げて中盤まで健闘

2019.3.23 23:25

前節はホームの東京・秩父宮ラグビー場でレッズに敗れ、1勝4敗のヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)は3月23日(土)の第6節、もうひとつのホームであるシンガポールに移動。サンウルブズのスーパーラグビー初の対戦相手にして、ここまで3シーズン連続準優勝中の南アフリカの強豪ライオンズを迎え撃った。

22日(金)にスーパーラグビー統括団体のSANZAARより日本側へ通達があり、サンウルブズが2021年以降リーグから除外されることが正式決定した。選手やスタッフに対しても現地でそのような説明がなされたという。

ただ、今シーズン初めて試合で指揮を執るトニー・ブラウンHC以下、勝利を目指す姿勢は変わらない。サンウルブズは、2月から合宿をしていた日本代表候補(RWCTS=ラグビーワールドカップトレーニングスコッド)から招集されて間もないPR三上正貴、PR具智元、LOグラント・ハッティング、CTB立川理道、FB山中亮平らが今シーズン初先発。リザーブにも同じく追加招集されたSH田中史朗、SO山沢拓也らが入り、山沢はスーパーラグビーデビューの瞬間をベンチで待った。ゲームキャプテンはFLダン・プライアーが務めた。

サンウルブズの一員として今年初の試合となったCTB立川は、メンバー選出時このように語った。

「今年のサンウルブズは例年よりもシーズン序盤から僅差の試合も多く、チームとしていい仕上がりになってきている。自分を含め新たに合流してくる選手がたくさんいますが、RWCTSのキャンプで練習してきたことを、サンウルブズでも継続してできているので、高いレベルの中で融合し、一人ひとり強みを出していきたい」

対するライオンズは、ゲームキャプテンを務める世界的HOマルコム・マークスを筆頭に、SHニック・グルーム、WTBコートナル・スコーサンといった南アフリカ代表経験者を先発に数多く並べた。同じく現代表のSOエルトン・ヤンチースは元NTTコミュニケーションズ、代表歴を持つCTBライオネル・マプーは元クボタと、サンウルブズとの一部選手とも旧知の仲の元トップリーガーも出場した。

先制したのはサンウルブズだった。前半7分、サンウルブズは敵陣ゴール前でフェーズを重ね、つながればトライというWTBセミシ・マシレワの左大外へのパスをライオンズWTBシルヴィアン・マフーザがインテンショナルノックオン。TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)の結果シンビン(10分間の一時的退出)となると同時にペナルティートライが認められ、サンウルブズが7-0と先制。

数的有利な状況となったサンウルブズだが、ここからライオンズの反撃に合う。前半13分、サンウルブズのハンドの反則からライオンズはタッチに蹴り出し、サンウルブズ陣5mライン上でのラインアウトからモールで前進。HOマークスにトライを決められ、SOヤンチースのゴール成功で7-7の同点とされる。

前半36分、サンウルブズはオフサイドのペナルティーから、またもライオンズにラインアウトモールの機会を与え、HOマークスに2トライ目を許す。7-12と勝ち越しされたところで前半終了を迎えた。

5点差で迎えた後半開始早々の3分、ライオンズのペナルティーでサンウルブズはPGを選択し、キックの名手SOヘイデン・パーカーが難なく成功。10-12とサンウルブズがわずか2点差に詰め寄る。

しかし後半12分SHグルームに、17分SOヤンチースにと立て続けにライオンズにトライを決められ10-22とリードを広げられる。21分には、ターンオーバーからディフェンスが整わないなかボールをつながれ、最後はCTBマプーがトライ。10-29となり、サンウルブズは19点差を追う展開となる。

反撃したいサンウルブズは後半25分、敵陣ゴール前での相手ペナルティーからスクラムを選択し、そこから途中出場のNo.8アマナキ・レレィ・マフィがサイドアタック。相手ディフェンスを巻き込みながらゴール寸前までゲインすると、最後はNo.8からFLに代わったラーボニ・ウォーレンボスアヤコがインゴールまで持ち込みトライ。17-29と点差を12点に縮める。

残り14分で2トライ2ゴールで逆転できる点差のため、サンウルブズは果敢にアタックするものの、自分たちのミスやペナルティーで相手にチャンスを与えてしまい、後半29分にはライオンズSOヤンチースにPGを、35分にはFLハチヴァ・ダイマニにトライを許し17-37と再びリードを広げられてしまった。

しかし、サンウルブズも最後に意地を見せる。39分、相手ペナルティーから素早くリスタートした途中出場のSH田中からパスを受けたNo.8マフィが力強くゲイン。フェーズを重ね、ラックからSH田中、SOパーカーとつなぎ、ラストパスを受けたFLウォーレンボスアヤコが中央にトライを決めた。

最終スコアは24-37。サンウルブズは7点差以内のボーナスポイント獲得はならなかったものの、強豪ライオンズからペナルティートライを含む3トライを挙げ、我慢強いディフェンスの成果もあり途中まで接戦に持ち込んだ。しかし勝負所でのミスやペナルティーが響いた格好となってしまった。

サンウルブズのゲームキャプテン、FLダン・プライアーは試合をこのように振り返った。

「今週起きたことは関係なく、いいゲームプラン、モチベーションも高く臨んだが、規律の部分でうまくいかず相手がいいテンポでゲームをしてしまった。(チャンスはあったがライオンズHO)マークスなどいい選手が絡んできた。自分たちもいっぱいチャンスあったがミスでそれを十分に活かせなかった」

ライオンズのゲームキャプテン、HOマークスはこのようにコメントし、サンウルブズへのエールも忘れなかった。

「ディフェンスが良かった。相手は最初20分、どんどん攻めてくると思っていたので7点に抑えられて良かったと思う。スクラムも非常に良かった。ラインアウトは過去数週間悪かったが改善できた。日本のチーム、頑張ってください」

今季初勝利後3連敗で1勝5敗となったサンウルブズ。3月29日(金)の第7節はオーストラリアに移動し、今季2度目の対戦となるワラターズとの一戦に臨む。第2節は30-31とわずか1点差で敗れた相手だけに、サンウルブズとしては敵地でその借りを返したい。

◇CTB立川、FB山中らが今季初出場!SO山沢はスーパーラグビーデビュー

RWCTSの練習生から正式メンバーとなり、さらにサンウルブズに招集され今季初先発を果たしたCTB立川を筆頭に、PR三上、PR具、LOハッティング、SH田中、SO山沢(ポジショニングはFB)、FB山中といった日本代表候補選手たちが今シーズン、サンウルブズ初出場を果たした。後半32分、FB山中に代わって入った山沢はこれがスーパーラグビーデビューとなった。

アタックでは効果的なゲイン、ディフェンスでは相手のチャンス拡大の目を摘むタックルで攻守にわたり活躍したCTB立川は、試合後このようにコメントした。

「まだまだ納得いくパフォーマンスできなかったですし、チームに貢献できなかったので少し悔いが残ります。特に、前半勢いがある中でトライを取り切れなかったことは反省点かなと思います。セットプレーとモールのアタックが相手の強みだったので、規律の部分はもっと気をつけてやっていかないといけないと思います」

また、サンウルブズが2021年以降リーグから除外されることについて問われると、

「僕自身すごく残念に思っていますが、今は考えずに、次の試合、来シーズンもあるので、しっかりと目標を持ってやっていきたいです。ゲインラインのバトルでしっかり前に行けるように努力していきたいし、それが日本代表につながるアピールポイントなのでやっていきたい」

と、正直な心情を明かしつつもあくまでピッチにおける自身の向上を誓った。

敗れはしたものの、こうした選手たちをが随所でいい場面を作った。まずは目の前の試合に集中し、次節以降もスーパーラグビーの勝利を目指してほしい。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。