RWC2019

最多はあの司令塔! 出場試合数&時間でわかるジェイミー・ジャパンの中軸

斉藤健仁の「ジャパンの現在地」第2回
2019.3.22 8:35

 2019年9月に開幕するラグビーワールドカップ開幕まで半年を切った。

 スーパーラグビー参入4年目を迎えたサンウルブズとへ並行し、ラグビー日本代表は、昨年度、試合出場時間数が多かった選手や若手選手は2月から東京・町田、千葉・浦安、沖縄・読谷で、約7週間にわたる代表候補合宿を敢行した。

 そして、3月末からジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)の指揮の下、サンウルブズに合流しなかった選手は「ウルフパック」として、国内外でスーパーラグビーのBチームと5試合対戦する。

 ジョセフHCはワールドカップ向けて「50~60人から選考できる」と層が厚くなってきたことを歓迎しつつ「パフォーマンスで決める」と、あくまでもサンウルブズやウルフパックでのプレーぶりで、6月に宮崎で行われる40名ほどの日本代表合宿のメンバーを決める方針だ。

 ただそうは言っても2016年9月に就任したジョセフHCの信頼が厚い選手もいるのも事実であり、そういった選手は当然、ケガなどのアクシデントがなければ9月に開幕するワールドカップでも中軸を占めるはずだ。過去3年あまりのテストマッチで誰が一番、試合に出たか、試合出場時間が多かったかを調べた。

 まずジョセフHCが就任してからのアジア勢以外とのテストマッチは過去16試合。6勝9敗1分という結果だ。過去の日本代表と比べて、ワールドカップを見据えて「ティア1(世界の強豪10チーム)」と呼ばれるチームとの対戦が多いため、負けが先行しているのは仕方ないところか。

 ただ2016年11月に善戦したウェールズ代表戦、2017年11月に引き分けたフランス代表戦で勝っていれば、もっと世界の評価は違っていたはずだ。

 そんな中でジェイミー・ジャパンは過去16試合テストマッチを行っており、全部試合に出れば1280分となるが、2人の選手が1000分越えを果たしている。

 それが「日本で一番のSO」とジョセフHCも評価するSO田村優だ。唯一16試合全部に出場し先発は13試合で1028分間ピッチに立った。ジェイミー・ジャパンの「不動の司令塔」だということがわかる。

 試合数だと出場時間こそ748分だが、15試合でメンバー入りして11試合に出場したのがSH田中史朗だ。ハイランダーズ時代からジョセフHCとともにプレーしてきたベテランはコーチ陣から重用されていることがわかる。

 1000分超えのもう一人はインサイドCTBとして攻守に目立ってきたラファエレ ティモシーだ。出場した14試合に出場しうち13試合で先発し1010分間プレーした。

 試合時間で3番目にランクインしたのはFLリーチ マイケルキャプテンだ。2016年は代表活動を少し休んだが2017年6月から日本代表にコミットし続けており、12試合連続80分間出場中(960分)という鉄人ぶりを発揮。次に試合出場が多かったのはWTB福岡堅樹で13試合に出場しうち12試合に先発、927分出場し、トライランキングもトップタイの7トライを挙げている。

 続いてNo.8アマナキ・レレィ・マフィが13試合でメンバー入りし12試合に先発(890分)、FB松島幸太朗が11試合で先発(878分)、HO堀江翔太が13試合でメンバーに入り12試合に先発(846分)。前述の田中と同じプレータイムだったのがPR稲垣啓太で、12試合でメンバー入りし10試合に先発(748分)だ。

 2017年秋から代表に定着したLO/FL姫野和樹は9試合でメンバー入りして8試合先発し636分、ケガもあったが7トライでチームトップタイのWTBレメキ ロマノ ラヴァが618分と続く。他にもトータルでのプレータイムは上記の選手に劣るが、過去9試合で7試合先発しているPR具智元、LOヴィンピー・ファンデルヴァルトは9試合でメンバー入りし7試合先発している。

 こうして見るとPR稲垣、HO堀江、LOファンデルヴァルト、FL姫野、FLリーチ、No.8マフィ、SH田中、SO田村、CTBラファエレ、WTB福岡、レメキ、FB松島らジェイミー・ジャパンの骨格、中軸の姿が見えてくる。

 ただ今年のサンウルブズでは2015年ワールドカップ組のPR山下裕史、若手HO坂手淳史、LOヘル ウヴェらも気を吐いており、激しいポジション争いを演じており、日本代表候補選手たちにとっても大きな刺激になっているという。

 過去にワールドカップに出場した選手や、ジェイミー・ジャパンになってから試合出場時間数の多い選手でも、今後行われるサンウルブズやウルフパックで、キャップ数や経験豊富な選手らしいプレーが求められる。また若手選手にとって、ワールドカップメンバーは31名という狭き門のため、試合でコーチ陣に大きなインパクトを与えるパフォーマンスが必須であろう。

 日本代表候補選手たちはいよいよこれから実践モードに入る。試合の結果も気になるが、ワールドカップでメンバーに入るために個々のレベルを上げてほしい。ポジション争いが激しくなり層が厚くなることがチーム力の上昇、そしてワールドカップの白星につながっていく。

 

◇ジェイミー・ジャパン 試合出場時間 トップ5

1位 1028分 SO田村 

2位 1010分 CTBラファエレ

3位 960分 FLリーチ

4位 927分 WTB福岡

5位 890分 No.8マフィ

 

◇ジェイミー・ジャパン 試合数トップ5

1位 16試合 SO田村

2位 15試合 SH田中

3位 14試合 CTBラファエレ

4位 13試合 HO堀江

4位 13試合 No.8マフィ

4位 13試合 WTB福岡

 

◇ジェイミー・ジャパン トライ数 トップ5

1位 7トライ WTB福岡 

1位 7トライ WTBレメキ

3位 6トライ FB松島

4位 5トライ FLリーチ

4位 5トライ No.8マフィ

この記事を書いたひと

斉藤 健仁KENJI SAITO

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365 」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。