RWC2019

サンウルブズ敵地で連勝ならず!ブルーズに28-20で敗れるもSO松田が15得点の活躍

2019.3.9 18:21

前節チーフスから、それもアウェイ(ニュージーランド・ハミルトン)で歴史的初勝利を挙げたヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)。開幕戦は完敗も2戦目で1点差の惜敗、3戦目にして今季初勝利とチーム状態が上向いており、総勝ち点は5、オーストラリアカンファレンス4位につけている。

サンウルブズは3月9日(土)の第4節もニュージーランド(以下)にとどまり、ブルーズとQBEスタジアム(ノースハーバー)で対戦。共同キャプテンのCTBマイケル・リトルをはじめPR山下裕史、FLツイ ヘンドリックと松橋周平、2週連続、ベスト15に選出されたWTBゲラード・ファンデンヒーファーらが前節に続いて先発した。一方、SO松田力也が10番で今季初先発し、SOヘイデン・パーカーがリザーブに入るなど、メンバーを一部入れ替えてNZの古豪に挑んだ。

試合を前に、サンウルブズのスコット・ハンセンHC(ヘッドコーチ)代行は、自軍の成長に目を細めながら、対戦するブルーズや一部メンバー変更についてこのようにコメントした。

「ブルーズはNZを代表するチームのひとつであり、とても爆発力のあるチーム。我々は自分たちのゲームストラテジーを信じ、そして高いパフォーマンスを発揮しなければブルーズには勝てません。今週は怪我人の発生によって何人かのメンバー交代がありますが、それは新しい狼に新たなチャンスが訪れたということ。大きなチャレンジを受け入れ立ち向かうことを、チームは楽しみにしています」

またキャプテンのCTBリトルはこのように語り、NZのチームからの連勝を誓った。

「先週のチーフス戦はスーパーラグビーの歴史上でも大きなサプライズのひとつとなりました。今週も世界を驚かせたい。我々のラグビー、すなわちブルーズよりも速いラグビーを展開すればそれが実現できる」

一方、ホームでのブルーズは、NZ代表の世界的スター、CTBソニー=ビル・ウィリアムズがゲームキャプテンを務めたほか、同じくオールブラックスのPRカール・トゥイヌクアフェ、WTBリーコ・イオアネらが先発。トップリーグの日野でも活躍したSHオーガスティン・プルら日本のラグビーファンにもなじみ深いメンバーが並んだ。開幕から3連敗中とあって、また昨シーズンに所属し、2日に23歳の若さで亡くなったPRマイク・タモアイエタ選手の追悼試合となったこともあり、必勝を期して臨んだ。

前半、先手を取ったのはサンウルブズだった。まずは4分、相手のオフサイドからSO松田がPGを決めて、0-3と先制に成功。12分にもブルーズがオフサイドを犯し、SO松田が続けてPGを成功させ、サンウルブズが0-6とリードを広げた。

しかし前半16分、ブルーズSOハリー・プラマーにPGを決められ3-6とされると、21分にはラインアウトを起点に連続してアタックを許しWTBリーコ・イオアネにトライを許し、8-6と逆転されてしまう。

敵地で連勝を目指すサンウルブズも負けじと反撃する。前半30分、ハーフウェイライン付近でのラックからアタックを仕掛け、SO松田、HO坂手淳史、CTBリトルとパスをつなぎ、バックフリップパスで大外を走るNO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコにボールへ。一気にゲインすると内側にいたSO松田に再びパスが渡りインゴールへ。TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)の末にトライが認められ、サンウルブズが8-13と再逆転する。

前半34分にはブルーズWTBリーコ・イオアネに2本目のトライを決められ15-13と再逆転を許したサンウルブズだが、わずか2点差で前半を折り返した。

後半から巻き返しを図りたいサンウルブズだったが、反則が増えてしまい、ホームのブルーズに主導権を握られてしまう。8分にWTBリーコ・イオアネにハットトリックとなる3本目のトライを決められ、20-13とリードを広げられると、18分にも連続トライ。WTBリーコ・イオアネの4本目のトライで25-13とされる。

サンウルブズは12点のビハインドを抱えたうえに、18分のトライの直前にFBセミシ・マシレワがインテンショナルノックオンでシンビン(10分間の一時的退出)。苦しい状況にさらされるが、それでも後半22分、攻撃を継続し、敵陣深くまで攻め入ると、最後は途中出場のLOヘル ウヴェが押し込んでトライ。SO松田のゴールも決まり、サンウルブズが25-20と5点差に詰め寄る。

しかしその後はサンウルブズは思うように反撃できないまま試合終盤を迎え、後半34分には今度は途中出場のHOネイサン・ベラがシンビンに。そこからブルーズSOオテレ・ブラックにPGを決められてしまい、そのまま28-20で敗れてしまった。サンウルブズにとっては、勝つチャンスもあっただけに、7点差以内の敗戦によるボーナスポイントを得ることができない痛い敗戦となった。

試合後、サンウルブズのゲームキャプテンCTBリトルはこのようにコメントした。

「非常にコンテストの多いゲームだった。(かつてトレーニングスコッドとして在籍した)ブルーズとこのように戦えて個人的にも誇らしいし、オークランドで家族、妻、友達の前でプレーできて嬉しかった。サンウルブズの選手たちは毎週ステップアップしてきているし、一戦一戦、気持ちを切り替えて取り組んでいるので、先週の勝利に勢いづいたことは間違いないが、今週もまた新たに準備してきた。後半の内容は大変悔しいが、シーズンは長いので、また次に気持ちを切り替えていきたい。スタッフ、選手がそれぞれ最大限の努力をしていることが成長の理由だと思うので、次の試合も楽しみです」

また、ブルーズのゲームキャプテンを務めたCTBウィリアムズはこのように試合を振り返った。

「率直に(勝てて)嬉しい。今年、選手たちはいいプレーをしながらも結果につながらないことがあったので勝てて非常に満足している。特にタイトファイブのスクラムが素晴らしかった。サンウルブズは以前とは全然違うチームで手強かったが、僕はともかくリーコ(・イオアネ)がやってくれた。少しでも(勝利に)貢献できたなら嬉しい。(キャプテンを務めたが)キャプテンシーなんてものは考えていなくて、リーダーグループの一員で、チームの一部分として力になれればと思っていた」

3戦連続のポイント獲得はならなかったサンウルブズだが、3月16日(土)の第5節はホームの東京・秩父宮ラグビー場に戻り、同じオーストラリアカンファレンスのレッズと対戦する。セットプレーや規律の面で見られた課題を修正し、多くのファンの前で今シーズン2勝目を目指してほしい。

◇SO松田力也がトライとキックで15得点の活躍!

「ブルーズ戦は10番でプレーするということで、しっかりアウェイで連勝できるように頑張ります」

今季初先発を果たしたSO松田力也は試合前このように意気込み、おおむね、期待されたとおりのパフォーマンスを発揮したと言えよう。

先制点となった2つのPGだけでなく、前半30分にはラックからパスを放ちチャンスを広げ、最後は自らラストパスを受けてのトライ、そして2本のゴールも成功させて1試合で15得点を挙げる活躍を見せた。後半26分にはSOヘイデン・パーカーが入ったことでFBに下がったが、ゲームマネジメントに加え、自らラン積極的にランで仕掛ける松田の良さも十分に出た試合になった。

SOとしてチームを勝利に導けなかったが、2019年ワールドカップで日本代表の10番の座を目指す意味では大きなアピールになった一戦と言えよう。来週以降の活躍にも期待したい。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。