RWC2019

サンウルブズ、優勝2回のNZの強豪チーフスを15-30で倒し、アウェイで歴史的初勝利!

2019.3.2 18:55

前節、同じオーストラリアカンファレンスの強豪ワラターズとホームの秩父宮ラグビー場で対戦し、30-31とわずか1点差で惜敗したヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)。勝利まであと一歩という手応えと、7点差以内の敗戦で得られる価値あるボーナスポイント1を手にしたサンウルブズは、3月2日(土)の第3節、今シーズン初のアウェイとなるニュージーランドに乗り込み、2012年、13年にスーパーラグビー連覇を果たしている強豪チーフスとFMGスタジアム ワイカト(ハミルトン)と相見えた。

サンウルブズは前節からメンバーを変更し、共同キャプテンのCTBマイケル・リトル、力強さが光るLOヘル ウヴェ、練習生から正式契約を勝ち取ったFL松橋周平らが今シーズン初先発。LOトンプソン ルーク、SH茂野海人、SOヘイデン・パーカー、WTBゲラード・ファンデンヒーファーらは3戦連続の先発となり、2016年にチーフスでプレーしたPR山下裕史も3番を背負って古巣に挑んだ。

サンウルブズのスコット・ハンセンHC(ヘッドコーチ)代行は、試合を前にこのようにコメントし、チームの成長に期待を寄せた。

「チーフスはスーパーラグビーで優勝を経験しているチームであり、誇り高い組織です。前回の試合もそうでしたが、我々にとってはひとつの大きなチャレンジであり、この機会でチームは成長できると信じています」

また、ゲームキャプテンのCTBリトルも、チーフスを警戒しながらも初勝利への意欲をむき出しにした。

「チーフスとの対戦は非常に厳しい試合になると思っています。ここまで彼らは2敗しており、我々との試合では必ず勝ちに行く、という気持ちで挑んでくるでしょう。我々の今シーズン初の勝利を掴むために、チーム全員が試合を心待ちにしています」

一方、開幕2連敗と不調にあえぐチーフスは、一部の主力を休養させつつも共同キャプテンのひとりLOブロディ・レタリック、SOダミアン・マッケンジーといったチームに不可欠なニュージーランド代表選手を先発。そして今シーズン、チーフスと契約しスーパーラグビーデビューを果たした日本代表3キャップのアタアタ・モエアキオラ(東海大学。4月から神戸製鋼)がリザーブ入りし、開幕から3戦連続出場の機会をベンチで待った。

チーフスのキックオフで始まった前半、主導権を握ったのはサンウルブズ。2分、LOヘルが大きくゲインして敵陣22メートルラインまで入ると、次のラックからPRパウリシア・マヌ、WTBファンデンヒーファー、NO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコとパスがつながり、右大外でラストパスを受けたFL松橋がトライ。SOパーカーのゴールも決まり、サンウルブズが0-7と先制に成功した。

6分にはSOパーカーのPGで追加点を挙げ(0-10)、23分にはチーフスSOマッケンジーにPGを許したものの(3-10)、26分には再びサンウルブズSOパーカーがPGを決めて(3-13)、リードを保ちながら試合を優位に進めた。

そして前半32分、サンウルブズは自陣でのマイボールスクラムからアタックを仕掛け、WTBファンデンヒーファーが敵陣22メートルラインまで大きくゲイン。そこからフェーズを重ね、ラックからのSOパーカーのパスを受けたLOヘルが相手ディフェンスを押し込みながらインゴールまで突進しトライ。スコアを3-20とすると、直後の35分にもSOパーカーがPGを決めて3-23とリードを広げ、ハーフタイムを迎えた。

20点差をつけて後半を迎えたサンウルブズだが、ホームで負けるわけにいかないチーフスからの反撃を受ける。後半6分、チーフスに22mライン内まで攻め入れられると、SOマッケンジーが裏へ絶妙なキック。そのボールをCTBアレックス・ナンキヴェルにインゴールで押さえられ、10-23とチーフスに点差を縮められる。

しかし後半17分、サンウルブズは敵陣に入ると右大外でパスを受けたNO8ウォーレンボスアヤコが大きく前進し、そのオフロードパスをキャッチしたWTBファンデンヒーファーがインゴールまで一気に駆け抜けてトライ。10-30と再び点差を20点とした。

後半24分には自陣でペナルティーを重ねた末に、チーフスWTBエテネ・ナナイ=セトゥロにトライを許したが、サンウルブズはその後もリードを守り切り15-30で今シーズン初勝利を獲得。勝ち点4を加えて総勝ち点を5とした。

サンウルブズがニュージーランドのチームから初めて勝利を手にしたのは2017年第17節のブルーズ戦(秩父宮)だが、チーフスとは3度目の対戦で初勝利となった。それもニュージーランド、そしてアウェイでは初となる、まさに歴史的勝利となった。

サンウルブズのゲームキャプテン、CTBリトルは試合後のインタビューでこのようにコメントした。

「非常に素晴らしい気分です。1週間、いい準備をしてきたので、この試合を楽しみにしてきました。前半から選手たちが準備できた通りのパフォーマンスができていたので、結果に満足していますし、来週に向けて頑張ろうという気持ちになっています。選手たちが自分たちのやろうとすべきことを声をかけ合っていて、ニュージーランドの試合で、家族が見ている選手も多かったので、非常に誇らしいことなんだという気持ちでプレーしました。(元ブルーズのワイダートレーニングスコッドだったので)来週はブルーズのホームでプレーできることをすごく楽しみにしています!」

開幕戦での大敗、第2節での惜敗から第3節で花開いたサンウルブズは、次節もニュージーランドに留まり、ブルーズと対戦する。しかしCTBリトルのコメントにも表れているように、サンウルブズは高いモチベーションで敵地に乗り込み、ラグビー王国での連勝に大いに期待したい。

◇LOヘル ウヴェがトライにジャッカルにと大暴れ!

日本代表としても活躍してきたLOヘル ウヴェがこの試合の勝利の立役者となった。前半32分に見せた、屈強な相手ディフェンスに力負けしないどころか引きずるように前進して決めたトライはもちろん価値あるものだったが、それ以外にも見せ場を作っている。

前半35分にSOパーカーがPGを決めているが、そのペナルティーはLOヘルがジャッカルしたことによるチーフスのノットリリースザボールを誘ったことだった。その直後のプレーでもLOヘルは相手ボールのラックでボールに絡んでターンオーバーに成功しており、このプレー自体は得点にはつながらなかったものの、勝利への貢献度は非常に高かった。

サンウルブズで一層の存在感を見せたLOヘル。日本代表での活躍に向けても大きなアピールとなったチーフス戦だった。次節のブルーズ戦でも大暴れしてほしい!

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。