RWC2019

サンウルブズ、強豪ワラターズに30-31で惜敗するも最後まで追い詰め健闘

2019.2.23 18:16

前節、開幕戦のシャークス戦(2月16日・シンガポール)で10-45で敗れ、三菱地所スーパーラグビー(以下スーパーラグビー)2019シーズンのスタートをいい形で切ることができなかったヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ(以下サンウルブズ)。2月23日(土)の第2節は国内開幕戦となり、同じオーストラリアカンファレンスの強豪ワラターズを東京・秩父宮ラグビー場に迎えた。

前節に続いてトニー・ブラウンHC(ヘッドコーチ)に代わり指揮を執るスコット・ハンセンHC代行は、前節の完敗を踏まえて、

「改善したいところはいろいろありますが、セットピースを安定させること、そしてアタックはサンウルブズのアタックをすることです。ディフェンスは80分やったので自然と上手くなると思いますが、そこも集中します」

とコメントした。

そのサンウルブズは、シャークス戦でリザーブだった右PR山下裕史、CTB中村亮土が先発に回るなど、前節のメンバーをベースにしつつ一部の選手を入れ替えて臨んだ。一方で、この試合のゲームキャプテンでもある共同キャプテンのPRクレイグ・ミラー、ハーフ団のSH茂野海人とSOヘイデン・パーカー、前節トライを決めたCTBシェーン・ゲイツらは引き続き先発し、もう一人の共同キャプテンであるCTBマイケル・リトルは2戦連続でリザーブから出場機会を待った。

昨シーズン、カンファレンス首位からプレーオフで4強まで勝ち進んだワラターズは、代表主将も兼ねるキャプテンのFLマイケル・フーパーを筆頭に、PRセコペ・ケプ、LOロブ・シモンズ、昨シーズン得点王のSOバーナード・フォーリー、CTBカートリー・ビール、そしてFBイズラエル・フォラウといった、オーストラリア代表でも実績十分の世界的プレーヤーが並んだ。

14,499人の地元ファンの前で勝ちに行きたいサンウルブズは、前半開始早々からワラターズの猛攻をしのぎながらチャンスをうかがう。すると前半8分、サンウルブズCTB中村が自陣で相手ボールをインターセプトし独走。ゴール前でCTB中村のラストパスを受けたWTBゲラード・ファンデンヒーファーが先制トライを決める。SOパーカーのゴールも成功し、サンウルブズが7-0と幸先よくリードを奪った。

直後の前半10分、キックから相手にチャンスを与えてしまいトライを返されてしまったサンウルブズだが(7-7)、18分にはSOパーカーがPGを決めて10-7と再びリードする。

24分と29分にはワラターズFBフォラウに連続トライを許し10-17と逆転されたものの、34分、サンウルブズもSOパーカーのPG成功で13-17と4点差に迫る。さらに前半終了間際の38分、相手ペナルティーを起点に自陣から攻めると、WTBファンデンヒーファーらのゲインで一気に敵陣ゴール前に迫り、最後はLOトム・ロウがトライ。20-17とサンウルブズが逆転し、前半をリードして折り返した。

この勢いで後半も攻め続けたいサンウルブズは開始早々の4分、SOパーカーが確実にPGを決めて23-17とリードを広げる。しかしその後はワラターズの反撃を受けて、後半8分にはNO8ジャック・デンプシーにトライを許し(23-24)、22分にはペナルティートライを奪われ23-31。ビハインドを8点に広げられたうえ、LOトンプソン ルークが反則の繰り返しでシンビン(10分間の一時的退出)となってしまう。

数的不利となったサンウルブズだが、後半29分にマイボールスクラムからアタックを仕掛け、パスを受けたWTBファンデンヒーファーが一気に前進し、追いすがるワラターズのCTBビールやFBフォラウを振り切ってトライ。30-31とわずか1点差に迫る。

逆転を狙うサンウルブズは試合終了間際の39分、ラインアウトからSOパーカーがドロップゴールを狙うも左にそれてしまい逆転することはできなかった。そのままワラターズに試合を切られたサンウルブズは30-31で惜しくも敗れたが、7点差以内の敗戦で与えられるボーナスポイント1を獲得し、今シーズン初めての勝ち点を手にした。

試合後、サンウルブズのハンセンHC代行はこのようにコメントした。

「すごくがっかりですが、誇り持ったプレーができました。1週間の準備も良かったですし、成長も見えました。がっかりした結果でしたが、ここから前にいくしかありません。

勝つ準備をして、勝つ位置までいきましたが、最後できなかったことはがっかりした。逆転することもできて、風も難しかったが上手くプレーできたことはリーダーシップ(が上手く発揮された)証拠だと思います。スマートラグビーできたこともよかったが、いい結果にできなかった。レビューして改善し来週に臨みたい」

また、共同キャプテンの一人であるCTBマイケル・リトルも、落胆しつつも前向きに試合を振り返った。

「すごくがっかりした結果ですが、誇りに思えるパフォーマンスでした。ここから作り上げてどんどん上手くなるしかありません。すべてを出し切りました。

ここから来週に向けて何を改善すべきか確認して集中したいです。ディフェンスが今週の一番の課題で、よくできました。今日の観客のサポートで、みんなのために体を犠牲したい気持ちもあり、いいディフェンスができたと思います」

一方、ワラターズのキャプテン、FLフーパーはサンウルブズの印象を聞かれこのように答えた。

「過去の対戦中で、もっとも接戦だったと思います。サンウルブズはターンオーバーからのプレッシャーが素晴らしかったです。スペースに上手にボールを動かして我々を押しやって、パーカー選手のキッキングゲームも素晴らしかったと思います。

もう一つはフィジカルです。サンウルブズのFWが有効な動きをしていました。セットプレーが良く、我々も相対するのに苦戦しました。タフな試合だった分、勝てて良かったです」

1点を争う接戦をものにできなかったとはいえ、サンウルブズは昨シーズンの同カンファレンス首位ワラターズをあと一歩のところまで追い詰めることができた。前節から大幅に改善が進み、今後に向けて大いに期待できる試合となった。

サンウルブズは3月2日(土)の次節、ニュージーランドに乗り込んでチーフスと対戦する。リーグ屈指の強豪との連戦となるが、ワラターズ戦でつかんだ感触を活かしてシーズン初勝利を目指してほしい。

◇初先発のCTB中村亮土、トライにつながる出色の活躍!

今シーズン初先発となったCTB中村亮土は、前半からアタックで魅せた。8分の先制トライにつながるインターセプトからの独走、そしてWTBファンデンヒーファーへの落ち着いたラストパスでトライを演出した。

中村はまず、

「お互いいいプレーがあって、見ている方がすごく楽しめるゲームができた。サンウルブズとしては最後勝ち切りたかったですが、そこに至るまでの実力が足りなかったことを受け止めて、また来週に向けていい準備をしていきたいです」

と試合全体を振り返ると、そのインターセプトの場面については、

「相手の状況を見て、ああいったディフェンスすると試合前からクリアーになっていたので、上手くできたかなと思います。相手も速かったしサポートも来ていた。僕はそんなに走り切る能力がないので、上手く人を使ってトライが取れて良かった」

とコメントした。ますますの活躍が期待される中村は今後について問われると、

「チーム内の競争とコミュニケーションが取れてきた中で、もう一段階レベルアップして、次の相手に勝ちきれるように準備していきたいです」

と頼もしく語った。次節以降もアタックでもディフェンスでもチームを勢いづけるプレーで「狼軍」の勝利に貢献し続けてくれるだろう。

この記事を書いたひと

齋藤 龍太郎RYUTARO SAITO

編集プロダクション(株)楕円銀河代表。日本と世界のラグビーの“今”を自らの足で取材し日々情報発信しているWeb媒体・紙媒体、「ラグビー∞アンリミテッド」を運営。編集者兼ライター、時々フォトグラファーとしてラグビーのみならず幅広いジャンル、また様々なメディアで活動中。